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 私の授業づくり 


筆者
人文学部英語英米文化学科
准教授 デービッド・ローレンス

 

 

難しい題材に英語で取り組む

「先生のことは好きだけど、授業は嫌い」。これは、魅力的で挑戦的な授業である『Academic Writing』と『英語で学ぶ言語習得論』を受講する英語英米文化学科の3年生からよく聞く言葉です。このようなコメントをする学生は高く評価するようにしています。それは、挑戦的なテーマや課題にこれまでに経験してこなかった方法で考えたり議論したりするよう求めていることに対し、学生が真摯に取り組んでいることを示しているからです。本稿では、この2つの講義を通して私の印象に残っている授業と授業に臨む姿勢について論じたいと思います。

 

では、なぜこのクラスが印象的なのでしょうか。この2つの講義での学生とのやり取りは、私が受け持つ他の授業に比べて特別なものです。私は講義の中で学生に多くの質問をします。学生にとっては、新しい科目や新しいやり方に取り組む以上に、英語で回答しなければならない大変さもあります。学術論文を英語で書く『Academic Writing』は、単に日本語論文を英訳する以上の全般的な考え方の違いや自己表現が必要です。これは英語の技術をはるかに上回り、学生にとっては大変な困難になります。同様に『英語で学ぶ言語習得論』においても、英語英米文化学科で初期に学んだ言語学に限らず、心理学、社会学、さらには日本語ですら学んだことのない神経科学までもトピックとして扱います。つまり、単に論文を書くために必要な英語を学んだり講義を聞いたりするという、比較的シンプルな課題にとどまらず(これも難題ではありますが…)、この2つの講義は、学生にとっては重要な知的挑戦なのです。

 

もちろん、学生に難しい課題を与え、それを専門的に扱うことを期待するだけでは不十分です。だから、講義を通して学生を助け、学生相互に助け合い、課題に取り組めるような十分なサポートをしています。十分なサポートとは、活動前や新しいレッスンの前に十分な情報を提供すること、ガイダンスで学生それぞれの弱みをグループ内で助け合えるような仕組みを作ることを意味します。2つの講義では、学生はグループディスカッションに多くの時間を費やします。その間、私はグループの様子を見て、知識が不十分なグループに助言します。最後に、学んだ資料の振り返りのセッションを行い、次のトピックに移ります。

 

このように、実際に難しい題材も扱いますが、学生それぞれがグループメンバーから助けられたり、自身で努力したりする様子がわかるので、大勢のクラスでも課題が達成できます。


logo No.143 (2019年1月)掲載
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