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 私の授業づくり 


筆者
現代教育学部現代教育学科
講師 味岡 ゆい

 

 

キャンパス内は教材の宝庫

中部大学のキャンパス内では、季節ごとに多様な植物が存在を主張します。10、11月に入ると、メインストリートではトウカエデ、ロタンダ周辺ではケヤキが色づき、秋を感じさせる風景が広がります。

 

私は、中学校教諭(理科)一種免許取得を目指す学生に向けた科目のうち、「理科概論C」「理科実験C」など生物分野に関する科目を担当しています。講義を担当した初年度のある時、中学校の教科書にツツジを用いた実験が掲載されていたため、「ツツジってどんな花?キャンパス内のどこに咲いている?」という問いかけをしました。答えることができた学生は、わずか数人。ちょうどキャンパス内では満開のツツジが咲き誇っていた頃でした。科学的知識や実験観察技術の習得だけでなく、教科書に載っている教材=ツツジであるという学習も必要なのだと分かり、学生に沿った講義方法を改めて考えるきっかけとなりました。

 

また、アスリートであった自身の体験を交えながら、それを一般化した形で提示すると、学生はその内容を実践してみることで、トップアスリートが実践する内容をできたという興味が湧く。もちろん提示する内容は誰にでもすぐにできる形であり、行動に移しやすいものを選んで提示する。こういった形ですぐに取り組めそうだと実感させること、また、無理なく自分の生活の中に取り入れられる内容をいくつも提示することで行動力へと変化させることを狙いとしている。自身の経験を最大限に活かすため、それをどう一般化することが学生にとってプラスの要素となるのかを常に考え作成、更新することが私の日々の課題である。

 

幸いにも、中学校の教科書に記載されている生物教材に特別手に入りにくいものはないため、講義では実物を用意した授業展開を主としています。特に、中部大学の春日井キャンパス内は先に述べたように多様な植物が生育しているため、生物教材の大部分を観察できます。教科書には花や種子、葉、果実といった学習内容に必要な部分しか掲載されていません。しかし、キャンパス内で植物の全体像を観察することにより、植物のどこに目的の観察物があるのか、また土壌の乾き具合や日の当たる量などの生育環境や周辺植物の様子、季節を通じた経過観察などができ、学生の学習を深める環境として非常にありがたく思っています。

 

多くの学生は卒業後、中学校もしくは小学校の教壇に立ちます。必ずというわけではありませんが、小中学校の敷地内にも、大学のキャンパス内と同じ植物が生育しています。学生が教壇に立った時、大学の講義を思い出し、実物を教材として授業で示し、実物を見せながら考えることができる指導を今後も目指していきたいと思います。


logo No.142 (2018年10月)掲載
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