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 私の授業づくり 


筆者
経営総合学科
教授 寺澤 朝子

 

 

Cumocを活用した授業改善

2010年秋から本学でCumoc(キューモ:Chubu University Mobile Clicker)の運用が始まり、8年目になる。運用開始当時に大学教育研究センター副センター長だったこともあり、試行を兼ねて授業中に活用することになったシステムであるが、振り返ってみると、私自身の授業改善ポイントの一つは、Cumocをより効果的に活用するための挑戦であったと言える。

 

ここでは、経営総合学科1年生対象の「経営学入門」(月・火の1コマ目に2クラス開講、各クラスとも165人程度が受講)で今年度から始めた新たな挑戦を紹介したいと思う。従来のCumocでは自由記述の設問を変更できなかったが、2017年度から担当教員自身で設問文を設定できるようになったのを機に、今年から思い切って時間外学習(予習)にCumocを活用している。学生に授業の予習をさせることに苦労している教員が多いと聞くが、もちろん私もその一人であった。今回の試みは以下の通りである。@前週の授業時に次週の予習課題を周知する。A授業が始まる前の約30分で受講生はCumocを使い、前週の復習問題(選択問題)と予め周知しておいた予習課題を回答する。この予習課題をCumocの自由記述欄に授業が始まる前に記入しておくことを受講生に課した。なお、課題を提出した者にはわずかではあるが加点をしている。

 

この試みは、うれしいことに予想外の授業前風景を生み出した。朝早めに来た学生が、仲間と相談しながら選択問題に答えたり、自分で調べてきた課題の回答を自由記述欄に打ち込む姿が講義室のあちらこちらで見られるようになったのである。授業開始から5分程経つと受講生が書き込んだ内容をプロジェクターの画面で共有するが、その頃には、学生たちはその日の授業内容への心構えができ、スムーズに講義内容に集中できているように見える。

 

時間外学習で自ら学び、授業中に学び、最後にもう一度コンセプチュアルマップとともにコメントシートを書くことで、経営学の重要な概念を繰り返し学んでもらう。しつこいと思われても、専門知識の定着のために、もうしばらくこの試みを続けてみようと考えている。


logo No.137 (2017年7月)掲載
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