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 私の授業づくり 


筆者
都市建設工学科
教授 杉井 俊夫

 

 

いつも授業は新装開店

25年前に、一人初めて教壇に立った授業のことをいつも思い出す。といっても授業の内容ではない。授業が終わった後に、学生から「先生、今日の授業、緊張しとったね」といった言葉である。学生は授業の内容だけでなく、教員のことをしっかりと見ているということを知らされた瞬間だった。

 

授業スタイルは、恩師をモデルにすることが多い。私の指導教授はその点では反面教師であり、私は高校の数学教師(渾名はオメガ)、また大学時代の構造力学の教員(渾名はコブラ)の共通の教え方をモデルとして始めた。しかし、学生はさまざまであり、我々が学生であった頃とも大きく異なる。しばらくして、「当時は自分が興味を持っていたから付いていけたのでは?」と気づくことになる。ちょうどその頃、愛媛大学主催のFD研修プログラムで、教授法にはいろいろな術があることを知った。「新しもの好き」の私は、自分の授業に取り入れたら学生はどんな反応をするだろうか、とすぐに実験をした。この点は、研究と非常に似ている。その後、「授業サロン」において分野が異なる授業を参観することで小さくても有益な情報があることに、またまた気づいた。大学院生の時代から良い研究発表をするには多くの発表を聞くことを教えられたが、授業においてもまさにその通りで、大学の教員は自分が学んだ(興味ある)授業だけを聞いていては、上達しないということに納得したのである。

 

さらに、失敗してもいいという考えが今に繋がっている。失敗しても学生は、「今日の先生、頑張ってたね」と口には出さないが理解してくれる。なぜ分かるのか?この声は毎回の理解度や質問・感想を書いてもらう「シャトルカード」や「授業評価」から聞くことができる。

 

年齢を重ね1つの授業スタイルを見つけるとなかなか変えられないが、私は毎回の講義において小さな実験を試みている。そうして私の授業は、いつも「新装開店」を心掛けている。


logo No.136 (2017年4月)掲載
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