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 私の授業づくり 


筆者
工学部
応用化学科
准教授 饒村 修

 

 

「わかった!」と実感できる授業を目指して

私は現在、「理論有機化学」や「有機化学B」など、有機化学を中心とした科目を担当している。これらは、非常に基礎的な部分の講義から、各論的な内容のものもあるが、いずれも「有機化学」という大きな学問分野の一部分である。

 

有機化学は有機化合物の合成、構造、反応等を学ぶ基礎学問である。授業では非常にたくさんの化合物や反応式が登場する。そのため、多くの学生には暗記ものという印象が強いようである。確かに、知っておかなければならないことは幾らかある。しかし、わずかな基本事項(主に電子の振る舞いに関する規則)をしっかりと理解することができれば、さまざまな分子の反応や構造など実に多くの現象を非常に明快に解釈することができる。そこで、電子の動きをいかに理解してもらうかに全精力を注ぐことになるが、そのためには自ら「書く」ことが理解の近道であると思っている。強制的に書く機会を与えるためにも板書を積極的に行い、ノートをしっかり取るよう指導している。今、電子ツールが盛んに授業に取り入れられているが、私の授業は古典的な板書中心の授業である。 ここで特筆すべきようなことは何も行えていないが、授業の初め10分ほど使っている復習は、前回の自分のノートを見ながら聞けばよいのでパワーポイントで示している。多くの情報を短時間に示すことができ有効である。また、資料や演習問題・解答などをTORA-NETのライブラリにアップし学生の自学自習を促している。毎回の復習と演習問題は学生から好評を得ている。

 

有機化学に興味のない学生、苦手な学生、とりあえず単位という学生もいるであろう。授業では、そんな学生にも小さなことでいいから「わかった!」と感じてほしい。その積み重ねで、「やれば(わずかな知識を身に付ければ)できる(たくさんのことが理解できる)」ということを体験してほしい。有機化学を通して少しでも学修の実感を伝えられたらこんなにうれしいことはない。


logo No.122 (2014年6月)掲載
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