中部大学2022大学案内
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Student'sStudent'sVoiceVoice0203身近な疑問が伸び伸びと社会を理解する自分の研究に一歩になる取り組める加藤 爽花 経営情報学部 経営総合学科 2021年3月卒業(静岡県 浜松市立高等学校出身)水越 雅人応用生物学研究科 応用生物学専攻 博士前期課程1年(愛知県 中部大学春日丘高等学校出身)身近な疑問から、行動心理を読み解く。想像力で身につけた多角的視点。変態によって、寄生虫も変種する。カエルと寄生虫の共生関係を研究。中高生の頃から生物、特に「寄生虫」に強い関心がありました。多くの方は寄生虫に対して「気持ち悪い」「怖い」といったマイナスイメージをお持ちだと思います。しかし寄生虫とその宿主(しゅくしゅ)は本来「共生」しており、大事なパートナー関係でもあるのです。この研究室では「寄生虫と宿主の共生関係を『生物学的進化』の観点から理解すること」をテーマの一つとしています。以前、長谷川先生の講義でアニサキスのお話を聞き、先生の研究室なら自分のやりたい研究ができると考え、門戸を叩きました。現在取り組んでいる研究は「カエルの変態と寄生虫の関係について」。カエルは脊椎動物で唯一大きな変態を遂げる動物で、オタマジャクシからカエルに変わる過程で寄生虫も変種することが分かりました。研究室ではその理由を変態による消化管の発達と推測しており、寄生経路や宿主との関係性を掘り下げながら、いずれはイモリなど他の両生類にも研究対象を広げていく予定です。長谷川先生には大学での「自由な時間」を学びや成長につなげることの大切さを教わり、とても感謝しています。濱田ゼミでは学生同士はもちろん、先生も含めて仲が良いことも特徴です。だからこそ、卒論や就職活動の相談もしやすかったり、先生が学会などで見つけた新しいトピックをすぐに共有してもらえたりと、理想的な環境になっています。3年次の初めには、経営戦略と社会心理のどちらかを専門領域として選択して、その中から研究テーマを決めていきます。私は掛け持ちをしていたアルバイトでやる気に差があると気付いたことをきっかけに、「モチベーションやストレスの要因」を卒論の研究テーマにしました。対象となる行動心理を明らかにするために、人の行動や意識を数値データに変換するアンケートを作成。集まった150人分の回答から、一貫性のある因果関係を見つけ出しました。アンケート項目の設定では「自分には意味がないと思う質問も、他人には意味があることかも」と想像力を働かせ、分析によって自分以外のたくさんの価値観に触れることができました。この経験で得た物事に対する多角的な視点を、これからも大切にしていきます。ゼミ生は関心に基づいて自由に卒業研究の課題を見つけ、自分自身の手で参考文献を探したりデータを収集したりします。研究に没頭し、時間を忘れて顕微鏡を覗き込んでしまうことも。長谷川先生も感心するほどの、研究への熱意と解剖技術が身につきました。濱田先生は学会や論文で「新しい」「面白い」と思ったものを、ゼミ生同士のディスカッションの題材にされています。最先端の研究に取り組む研究者でもある、各学部の教員。研究室に所属して指導を受けている学生にとって、どのような存在なのか。学生の取り組んでいる研究とともに紹介します。濱田 知美講師経営情報学部 経営総合学科長谷川 浩一 准教授応用生物学部 環境生物科学科大学院 応用生物学研究科 応用生物学専攻CHUBU UNIVERSITY GUIDEBOOK 2022027[研究]世界レベルの高度な研究を体感する。03

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