2021研究紹介
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90キーワード相談に応じられる内容キーワード相談に応じられる内容自然界のキラリティ(左右性)の不思議を探る-Chiromorphology : 分子から結晶、巻貝まで- KURODA Reiko先端研究センター特任教授 黒田 玲子化学物質全般・ペプチド・タンパク・DNA等の構造変化、結晶学、キラル分光学等 多数の分子が集まって、結晶や生物が出来上がっている。その構築のプロセスをキラリティー(左右性)を介して明らかにする研究をカイロモルフォロジー研究(Chiromorphology = Chiralキラル+Morphology 形態学)と名づけ、展開している。研究対象は有機化合物や金属錯体等の凝集体や結晶、蛋白質・ペプチド・DNAが作る膜やゲル、左右巻型のある巻貝である。結晶、膜等には巨視的異方性が内在し、市販のキラル分光装置では正しいCD(Circular Dichroism)スペクトルを測定できないために、それが可能な装置(UCS)を開発した(特許保持)。UCS-2,3号機は試料を水平に置けるために構造の時間変化をリアルタイムに追跡できる。 巻貝のボディプランの左右性は細胞骨格系に関連した一個の遺伝子lsdia1により、受精卵から決まっていることをゲノム編集で突き止めた。発生初期の体内構造構築のプロセスを分子レベルで解明している。結晶学・分光学・分子生物学・発生生物学と幅広い分野で研究を遂行しており、機能性物質・医薬品の開発、医療分野にも関連する。 【研究テーマ】●巻貝の体の左右性決定を、1細胞期から、予定運命決定の24細胞期、ヒトの臓器 の左右性も決めているnodal遺伝子発現への道筋を分子レベルで解明する●外部刺激による結晶状態での多形変換、結晶化過程・結晶状態でのキラリ ティーの創製、識別、増幅など●UCSを用いた構造変化の追跡左右性、結晶、分光、機能性物質、動物の形態形成キーワード相談に応じられる内容キーワード相談に応じられる内容STEAM教育:研究アウトリーチ:Science, Technology, Engineering, Art, Mathematics等の各教科での学習を実社会での課題解決に生かしていくための教科横断的な教育研究内容や研究成果を一般・社会に向けてわかりやすく伝える活動STEAM教育推進と研究アウトリーチの教育活用-高大連携による探究学習・課題研究の指導法開発- INOUE Noriyuki超伝導・持続可能エネルギー研究センター教授 井上徳之高等学校におけるSTEAM教育・課題研究等の指導法・カリキュラム開発大学・研究機関における高等学校等への研究アウトリーチの手法開発 研究アウトリーチを学校教育に活用する手法開発を研究してきており、特に「STEAM教育としての課題研究の指導法とカリキュラム構築の手法開発」(科研費)については高等学校および大学・研究機関等との共同研究を推進している。これまで研究開発学校( SSH)などと連携してきた成果を、一般校でも実施できるようにする段階を迎えている。 Society5.0に向けた人材育成では「人間の強み」が重要となり、技術革新の中で、文理分断からの脱却・文理両方を学ぶ高大接続改革が検討されている。新学習指導要領では探究的な学習が重視されるが、課題研究の指導法や、地域との協働による実施手法などについて、モデルケース開発とノウハウの普及展開が求められている。 これまで、研究者などによる出前授業をシリーズ学習(ユニット)として規格化し、その組み合わせで年間カリキュラムを構成する手法を開発している。授業から課外活動に発展させ、研究室での見学や実験・実習、科学合宿、合同発表会や学会主催「高校生シンポジウム」などをコーディネートしてきている。 【研究テーマ】●Society 5.0に向けた人材育成、 STEAM教育、 ESD/ SDGs●課題研究・探究的な学びの指導法の研究開発●科学教育連携ネットワーク構築、高大連携、学校と地域との協働●研究アウトリーチの教育活用、科学コミュニケーション新学習指導要領、STEAM教育、研究アウトリーチ、高大連携、科学コミュニケーション研究所・センター等研究所・センター等

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