2021研究紹介
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85キーワード相談に応じられる内容独自HPキーワード相談に応じられる内容睡眠からアプローチするリスクマネジメントMIYAZAKI Soichiro  生命健康科学研究所特任教授 宮崎 総一郎交代制勤務職場でのリスクマネジメント、労働者の疲労度予測、産業事故予防睡眠教育、睡眠指導 交代勤務者の健康を守ることは、産業保健分野で重要な課題である。そのためには、睡眠学の観点から体のリズムを考えた働き方を考えることが、労働者の健康を守り安全な業務を遂行するために有効である。 日本での交替勤務サイクルは欧州型の早い回転を採用する職場が多く、8時間3交替制が一般的である。しかし、このタイプはほとんど毎日入眠時刻と起床時刻を後退させながら調節をしなければならない。そのために睡眠の規則性を維持することが困難で、一種の時差ボケ症状(ソーシャル・ジェットラグという)に陥いる。そのため、疲労が蓄積し、ヒヤリハットや産業事故の要因となる可能性が高い。【研究テーマ】●交代制勤務職場労働者の疲労度、アラートネスの評価 Circadian Alertness Stimulation(CAS)を利用して、個人別に評価が可能●夜勤のための有効な仮眠の取り方の教育●交代制勤務職場での体に優しい勤務スケジュール作成参考資料:宮崎総一郎、森国 功:「どうしてもがんばらなくてはならない     ひとの徹夜完全マニュアル」中経出版 2012リスクマネジメント、ソーシャルジェットラグ、疲労度予測、産業事故、勤務スケジュールキーワード相談に応じられる内容キーワード相談に応じられる内容量子情報科学による認知過程の研究 量子測定モデルによる意思決定論とAIへの展開OZAWA MasanaoAI数理データサイエンスセンター特任教授 小澤 正直量子情報科学、意思決定論、質問順序効果(QOE)、回答再現効果(RRE) 量子情報科学は、量子物理学と情報科学の境界に位置し、量子コンピュータや量子暗号の基礎理論として急速に進歩しつつある。この新しい分野の成果を人の心の解明に役立てないだろうか。人の心は微妙なもので、聞き方や聞く順序を変えただけで同じ質問に対する回答が変わったり、かと言えば、一度口に出したことは容易く変えないものだったりし、世論調査や広告の効果などに影響を及ぼしている。質問の順序で回答が変わる効果(QOE)は、量子力学の不確定性原理を連想させ、量子力学を応用してこの効果を説明する試みがなされてきた。ところが、QOEを説明する従来の量子モデルでは、同じ質問を後に繰り返した場合、同じ回答をするという効果(RRE)が説明できず、この二つの効果を矛盾なく説明する事は、未解決問題とされてきた。 当研究室では、この問題を量子情報科学における新しい量子測定理論である量子インストルメント理論によって解明し、意思決定に関する社会活動に応用する研究を進めている。【研究テーマ】●世論調査や広告の分野におけるQOEとRREなどの効果の実証●量子インストルメントモデルによるQOEとRREなどの効果の解明●意思決定におけるQOEなどの効果のAIによるシミュレーション●アンケート調査におけるQOEによるバイアスの除去●広告におけるQOEの活用量子情報科学、意思決定、量子インストルメント理論研究所・センター等研究所・センター等

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