2021研究紹介
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67キーワード相談に応じられる内容キーワード相談に応じられる内容微弱な電磁波で血液組成を非侵襲で測定するTAKEDA Akira生命健康科学部 臨床工学科教授 武田 明非侵襲的に血液の組成を測定するシステムの開発 現在、健康状態の診断や疾病の予防に繋げられるような評価方法の一つとして、血管から侵襲的に血液を5~15 mL採血して、血液の組成を生化学的に測定する方法がとられており、血液の生化学データからさまざまな健康状態の診断や疾病の評価が行われている。しかし、人から血液を採取するためには、皮膚から血管に針を穿刺して血液を採取する方法が一般的であり、痛みや苦痛が伴う方法は避けられない。ましてや、血管が細い乳児・子供やお年寄りなど動脈硬化が進んだもろい血管に穿刺する場合は穿刺の失敗に伴い、検査が困難な状態が発生する。また、現在は、生化学的に血液検査結果が出るまでには時間が掛かるため、検査結果の通知遅れによる、緊急処置判断の遅れに繋がっている。 そこで、血液を1滴も採取することなく、人の身体の血管内の血液に、身体の外側からの微弱な電磁波(マイクロウエーブ)を照射し、痛みや苦痛が伴わない方法で、非侵襲的に血液の組成の測定方法の構築及び機器の開発し、疼痛解消や穿刺失敗による検査が困難な状態を回避することを目指す。また、同時に、リアルタイムで測定結果を表示することで、検査結果の通知遅れによる、緊急処置判断の遅れを防ぎ、検査結果の活用の迅速化を目指す。【研究テーマ】●非侵襲的に血液の組成を測定するシステムの構築●血液透析状況のリアルタイムモニタリングシステムの開発●生化学の定数と物理量の定数の相関関係の研究開放終端同軸プローブ、血液、複素比誘電率、BUN、クレアチニン独自HPキーワード相談に応じられる内容自己組織化プロセスによる縦型ナノカーボンチャネル電界効果トランジスタのチャネルと電極ナノカーボンバイオセンサーの医療応用に関する研究KAWAHARA Toshio 生命健康科学部 臨床工学科教授 河原 敏男ナノテクノロジー、電子デバイスプロセス、デバイスパッケージ技術、超高感度バイオセンサー技術と応用、ナノバイオテクノロジー、ウイルス検出技術 半導体プロセスの飛躍的発展により高性能LSIが開発され、現在の情報化社会の基盤が築かれた。微細化が進む中で、現実世界の情報も電子デバイス技術により仮想空間に取り込まれつつある。その中で、ナノカーボンデバイスは、物性的な優位性から次世代の半導体材料として期待されているが、同時に、ナノテクノロジーを活用した電子デバイスによるセンシング技術でも卓越した性能を持つ。 これを、インフルエンザ等の感染症の原因であるウイルスの選択的検出可能な分子系と組み合わせることで、超高感度センサーを開発する。さらにパッケージングまで行いユビキタスに使用できるセンシング機器を作製し、医療応用することで、例えば、地球規模で発生している鳥インフルエンザウイルスがヒト間伝播能力を獲得する変異を事前に監視し、世界流行を防ぐ感染防疫体制構築を目指す。【研究テーマ】●ナノカーボンデバイス開発●感染症検出のための分子系探索●バイオセンサーのためのプロセス技術開発●バイオセンサーによる世界各地のウイルス調査●医療情報システムの研究ナノテク、電子デバイス、バイオセンサー、感染症生命健康科学部生命健康科学部

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