2021研究紹介
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66キーワード相談に応じられる内容キーワード相談に応じられる内容腎保護作用を有する抗酸化物質の探索UEMURA Kazuhide生命健康科学部 理学療法学科      生命医科学科兼任准教授 上村 和秀抗酸化作用を有する天然物あるいは天然物由来成分の慢性腎炎に対する効果の評価検証 近年透析治療を必要とする末期腎不全患者は増加の一途をたどっており、わが国の維持透析患者数は2011年に30万人を突破した。透析治療には一人当たり年間数百万円の費用を必要とし、国全体では約1.5兆円もの医療費が投じられている。また、患者の生活の質も著しく制限されることが問題となっている。この問題の解決のためには、末期腎不全の予防、すなわち、その主要な原因疾患である慢性糸球体腎炎の進行を抑えることが重要となる。糸球体腎炎の中でも患者数の多いメサンギウム増殖性腎炎の発症進展には酸化ストレスが関わっていることがよく知られている。      当研究室では、メサンギウム増殖性腎炎の実験動物モデルを用いて抗酸化作用を有する植物由来物質の腎保護作用を現在検討している。これまでの成果として、造影剤の副作用として発症する造影剤腎症に活性酸素の一種が関与すること1)、また、腹膜透析の重篤な副作用である被嚢性腹膜硬化症の進行に酸化ストレスが関与すること2)やカルバゾール関連化合物が抗酸化作用を有すること3)を明らかにしてきている。1) Clin Exp Nephrol. 13(1), 15-24 (2009)2) Nephron Exp. Nephrol. 117(3), e71-81(2011)3) HETEROCYCLES 92(1),120-132 (2016)【研究テーマ】●モデル動物を用いた腎保護作用を有する抗酸化物質の探索●培養細胞を用いた腎保護作用を有する抗酸化物質の探索 腎不全、糸球体腎炎、酸化ストレス、抗酸化物質キーワード相談に応じられる内容ケガや不調の原因解明とその予防法~スポーツから日常活動まで~MIYASHITA Koji教授 宮下 浩二スポーツや日常生活におけるケガの予防や不調を改善するための用具および測定機器のアイディアを提供 理学療法は、ケガの予防やリハビリテーションのみならず、不調を防止するコンディショニングにも活用される。その流れは左図のようになっている。 まず、痛みの要因を分析するために、痛みのある動作(投球などのスポーツ動作、歩行などの日常生活動作)を分析し、次にその動作を呈する関節機能の要因について様々な方法で解析する。それにより、ケガや故障の要因を抽出し、問題解決策を導き出している。問題解決策には、トレーニングなどの運動指導、ストレッチングなどのセルフケア、そしてそれらでも解決できない問題には身体の負担を減らす補助具を用いている。【研究テーマ】●ケガや不調の要因解析 1)動作、姿勢の三次元動作解析  2)関節機能の解析、評価●上記要因に対応する予防法の開発 1)トレーニングやセルフケア方法の開発 2)予防改善を支援する用具・機器の開発スポーツ活動、日常生活活動、ケガ、不調、健康、予防、補助具生命健康科学部 理学療法学科生命健康科学部生命健康科学部

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