2021研究紹介
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63キーワード相談に応じられる内容特許P106参照キーワード相談に応じられる内容骨と自然にくっつく生体材料の研究体にやさしい人工骨・人工関節・人工歯根を目指してTAKADAMA Hiroaki 生命健康科学部 生命医科学科准教授 髙玉 博朗表面処理(大比表面積化、高硬度化など)、加熱処理、雰囲気制御加熱、表面分析、骨結合性評価、生体材料の開発(人工骨・人工関節・人工椎体・人工歯根など) 超高齢社会の到来に伴い、骨、関節、背骨、歯などに問題を抱える人が増大している。特に、これらの部位が損傷すると歩けなくなるなど、生活が大幅に制限される恐れがある。しかし、人工関節や人工骨などを使用することにより社会復帰するまで改善できる。これまで当研究グループでは、チタン金属を表面処理することにより、元々はなかった骨と結合する性質をチタン金属に新たに付与することに成功し、新しい人工関節として医療認可を受けた。しかし、現行の材料にはまだ課題もあり、骨と結合する性質や耐摩耗性のさらなる向上、感染の抑制など様々な改良が望まれている。 また、実験動物を用いることなく試験管だけで評価できる擬似体液(SBF)を用いた骨結合性評価法のISO化を達成し、本法は全世界で使用されている。現在、その評価法にさらなる改良を検討している。【研究テーマ】●新規人工関節・人工骨・人工椎体・人工歯根などの開発 ・表面処理による骨と結合する性質の付与および向上 ・表面処理によるナノ多孔(大比表面積化)による骨との結合力向上 ・表面処理による高硬度化と耐摩耗性の付与 ・表面処理による抗菌性付与(感染防御)、骨芽細胞促進など●擬似体液を用いた骨結合性評価法の改良《その他テーマ》●大比表面積を有する電極の開発骨結合性(生体活性)、チタン、表面処理、人工関節、人工骨、擬似体液(SBF)特許P106参照キーワード相談に応じられる内容メラニンの医療応用に関する研究KAWAMOTO Yoshiyuki 生命健康科学部 生命医科学科准教授 川本 善之合成またはイカ墨抽出メラニンを用いた抗アレルギー剤、がん抑制剤等の開発 メラニンは皮膚においては紫外線による障害を防ぐ機能を持つことは良く知られている。自然界に広く分布し、イカ墨にも多量に含まれ、食しても安全な天然生体合成物質である。メラニンはアミノ酸のチロシンを初期物質として酸化重合によって生合成されるポリマーで、分子量が一定でなく、あらゆる溶媒に難溶性である。我々は、メラニンを生化学的緩衝液に容易に溶解する条件を初めて発見し、さらに水溶液に可溶なメラニンを独自に合成した。こうして調整した可溶化・可溶性メラニンは、アレルギー応答に重要な役割を担うマスト細胞の活性化を効果的に抑制することを初めて見出した。さらに、あらゆるがん細胞の増殖を抑制したが、細胞を死滅させることはなかった。我々が作製した可溶性メラニンは、安全性の高い新規抗アレルギー剤や、副作用の少ない制(静)がん剤の開発シーズとなり得ると考える。【研究テーマ】●メラニンの分子構造解析●可溶化・可溶性メラニンによるマスト細胞活性化抑制解析●可溶化・可溶性メラニンによるがん細胞増殖抑制メカニズムの解明●イカ墨メラニンによる抗アレルギー、細胞増殖抑制の解析●可溶化・可溶性メラニンの医療応用への検討メラニン、イカ墨、アレルギー、花粉症、がん、炎症 / 可溶性メラニンの化学合成不溶メラニンの完全可溶化生命健康科学部生命健康科学部

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