2021研究紹介
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61キーワード相談に応じられる内容キーワード相談に応じられる内容ウイルスによる病原性発現の分子機構の解明TSURUDOME Masato 生命健康科学部 生命医科学科教授 鶴留 雅人モノクローナル抗体の作製、ウイルス増殖効率の向上、ドラッグデリバリー パラミクソウイルス(パラインフルエンザウイルスやムンプスウイルスなど)の細胞への侵入は、ウイルス粒子表面に存在する受容体結合蛋白HNと膜融合蛋白Fの特異的相互作用によって媒介される膜融合誘導の結果である。また細胞に侵入したウイルスの増殖に伴って感染細胞表面に発現したHNとFは、感染細胞と非感染細胞との膜融合(細胞融合:多核巨細胞形成)を誘導することがあり、この現象はウイルスの感染拡大と病原性の発現に関与している。 パラミクソウイルスのHN-F相互作用による以上のような膜融合誘導に関しては、図に示すようなモデルが提唱されている。しかしHN蛋白とF蛋白の物理的結合の検出は極めて難しく、確定的な情報が得られていないため、この相互作用の詳細な分子機構は不明である。【研究テーマ】●膜融合の定量法の開発●二分子蛍光補完法(BiFC)法によるHN-F相互作用の検出● 光架橋法によるHN-F相互作用の検出● HN蛋白に依存しない膜融合誘導活性をもつ変異F蛋白(L22P)を用いた ウイルス増殖効率向上法の開発●L22Pを用いたドラッグデリバリーシステムの開発パラミクソウイルス、膜融合蛋白、受容体結合蛋白多核巨細胞 核 キーワード相談に応じられる内容キーワード相談に応じられる内容がんの微小環境を標的とした新たな漢方治療法の探索QIAO Shanlou生命健康科学部 生命医科学科教授 喬 善楼がん、糖尿病に関する漢方活性物質の探索、漢方による補助治療のエビデンスの提供 がん細胞は正常細胞と違って、酸素の有無に関係なくグルコースを乳酸の生成に向けているワールブルク効果がある。現在では、このがん細胞のエネルギー代謝の特徴を利用したがん治療法に注目が集まっている。 本研究は、がん代謝特徴を癌治療戦略の新たなターゲットにし、抗がん作用があると民間に言い伝えられている漢方薬からスクリーニングを行い、従来の化学療法剤のような副作用を有さない活性物質を見いだすことを目的とする。【研究テーマ】●がんの微小環境を標的とした新たな漢方治療法の探索がん、エネルギー代謝、ワールブルク効果、漢方、糖尿病、小胞体ストレス生命健康科学部生命健康科学部

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