2021研究紹介
54/111

53キーワード相談に応じられる内容独自HP独自HPキーワード相談に応じられる内容微生物の有効利用や改良に関する研究 -有用微生物の探索、解析、分子育種による機能向上-KANAMASA Shin  応用生物学部 環境生物科学科アイソトープセンター兼任准教授 金政 真酵素の生産、精製、機能解析、新規微生物の単離と解析、微生物の機能改良(育種)、木質系バイオマスの酵素糖化、発酵、遺伝子組み換え技術 私達は古くは酒や味噌など醗酵食品の製造に微生物を利用してきました。今日では医薬品や工業材料の製造にも様々な微生物が活躍しています。「世界には私達が欲する能力を持った微生物が必ずいる」と言われていますが、私達はまだそのごく一部しか知りません。そこで、私どもは社会のニーズに応じた微生物を自然界より単離してその性質を調べたり、有用菌の能力を遺伝子工学によって向上させる研究を行っています。対象微生物は細菌だけでなく、酵母やカビも扱っています。主に下記のテーマを進めています。【研究テーマ】●木質分解微生物の研究 木質系バイオマスから燃料エタノールなどを製造する際に必要となる木質 の糖化(分解)に、環境負荷の小さい微生物由来酵素を用いることを目指 しています。そのために、新規微生物の探索や、有用菌の機能解析および 機能向上に取り組んでいます。●微生物を用いた有価物質の生産 微生物には、私達にとって有益な医薬品や調味料、お酒、また樹脂などの 化成品原料を生産するものなどがいます。これら有用菌の探索や能力を 向上させる研究を行っています。●中部大学ワイン・日本酒プロジェクトの推進 芙蓉花酵母を用いた日本酒など、本学オリジナル商品を開発しています。微生物利用、バイオマス、持続可能社会、バイオリファイナリー、バイオ燃料、酵素芙蓉花酵母で造った日本酒キーワード相談に応じられる内容独自HPキーワード相談に応じられる内容2.土壌圏の保全・汚泥の利活用に関する研究UENO Kaoru  応用生物学部 環境生物科学科准教授 上野 薫土壌保全に関する研究、水質浄化・底質浄化に関する研究、野生動植物の生息環境の保全に関する研究 土壌は、あらゆる生物が生態系サービスを享受するための基盤である。しかし、人間の生産活動においては、土壌でさえも廃棄物化したり、大規模造成により問題土壌を地表化したりするなど、非持続的な土壌利用の場面が多い。また、自然環境においても人間の生活関与により循環が断裂し、土壌および土壌圏のもつ公的機能が劣化しつつある。 本研究室では、生物生息環境としての土壌環境の保全や廃棄物である汚泥等の利活用に関して、土壌物理学的手法・微生物学的手法・生態学的手法を用いて以下のような研究を行っている。対象とする生物は、哺乳類、微生物、植物など多岐に亘っている。 【研究テーマ】●人工林の浸透能向上のための環境条件の探索 管理放棄により劣化が進む人工林においては(図1)、土壌への雨の浸みこみ やすさ(浸透能)は,森林の洪水抑制機能の評価指標となりえる。この機能を 高めるための現場レベルでの保全指標として有効な条件は、「林内の地表を覆う 植物の割合が81%以上であること」を示した(図2)。●酸性硫酸塩土壌の微生物的酸化と土壌水分との関係 ●キノコ廃菌床の堆肥化促進技術の開発●下水余剰汚泥炭化物の水質浄化への活用に関する研究●上水緩速濾過砂における濁度発生と微生物群集構造の関係 ●アカネズミ・カヤネズミ・ニホンライチョウのハビタット適性に関する研究●モウセンゴケ属植物の適性生育土壌水分●庄内川河口域におけるヨシ帯の衰退要因の探求土壌保全、自然環境、土壌水分・土壌微生物、有機物分解、汚泥処理、堆肥化、水質浄化応用生物学部応用生物学部

元のページ  ../index.html#54

このブックを見る