2021研究紹介
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49キーワード相談に応じられる内容独自HPキーワード相談に応じられる内容微細藻類におけるエネルギー生産性向上技術の開発AICHI Makiko応用生物学部 応用生物化学科准教授 愛知 真木子微細藻類の培養、培地中・植物体中の硝酸イオン・亜硝酸イオン濃度測定など 化石燃料の代替となるような物質を酸素発生型の光合成をおこなう微生物であるシアノバクテリア(ラン藻)を用いて生産することを目的として研究を進めています。これまでにもラン藻類を用いたバイオ燃料の生産に関する研究は行われてきましたが、投入したエネルギー(肥料、ラン藻類の回収にかかるエネルギー、輸送費など)よりも、得られるエネルギーが少ないために実用化が困難であったと考え、投入エネルギーを抑えてエネルギーを多く得られるラン藻株を作製します。そのために細胞の増殖を抑えて、必要な肥料を削減し細胞外に脂肪酸を放出させることで、回収にかかるコストを抑えます。左下図は、遺伝子改変により脂肪酸を蓄積するようになったラン藻培養液の写真です。【その他の研究テーマ】●シアノバクテリアや高等植物の窒素利用に関わる遺伝子の発現および タンパク質の活性制御機構の解明●東海丘陵要素植物(周伊勢湾地域の固有種)の保全を目的とした自生地 環境調査と遺伝的多様性の解明●貧栄養地に適応している東海丘陵要素植物など湿生植物の地球環境の 変化(富栄養化)に対する応答機構の解明と保全技術の開発微細藻類、バイオ燃料、遊離脂肪酸、トランスポーター(輸送体) aas::sacB Kmaas; PnirA::’tesAWTキーワード相談に応じられる内容キーワード相談に応じられる内容BP/KNAT1 KNAT2 (KNAT6)KAN2 YAB5 ARF3/ETT miR390 genemiR390TAS3 genetasiR-ARFARF4 DirectDirectIndirectIndirectRDR6Proximal-distal Polarity -Adaxial-abaxial Polarity -Medial-lateralPolarity -AS1AS21 2!!!植物バイオ技術による葉形のモデリング MACHIDA Chiyoko応用生物学部 応用生物化学科特任教授 町田 千代子植物バイオ技術について、遺伝子解析技術、ケミカルの作用機作、ワインとブドウ樹について 私達が研究材料として用いているシロイヌナズナは、植物バイオ研究における多くの新規な情報をもたらしたモデル植物である(図1)。葉の発生分化においては双子葉植物のモデルになっている。葉は3次元的な軸に沿って分化成長する主要な光合成器官であり、光エネルギーを化学エネルギーに変換する生化学反応を担う。 町田研究室では、ケミカルバイオロジーとバイオインフォマティクスを駆使した研究から、葉の形を決める遺伝子の制御ネットワークを構築した(図2)。特に、AS1とAS2遺伝子は、葉の形を決めるための鍵遺伝子であるとともに、様々な地球環境変動にも関わらず、双子葉植物の葉を扁平に展開するための守護神的機能をもつことが明らかになった。 DNAやRNAの解析技術の画期的な進歩により、種々の生物のゲノム情報が容易に得られるこれからの時代では、シロイヌナズナで構築した遺伝子の制御ネットワークは、優れたモデルとなる。これらの研究は、将来的には、光合成効率のよい植物の改良に直結すると期待されている。【研究テーマ】●植物の葉の発生分化の遺伝子制御ネットワークの構築●成長点培養によるウイルス非感染甲州ブドウ樹の作成 日本食に合う上質なワインが国内外で求められている。そのための鍵となる のがウイルスに感染していない甲州ブドウ樹から完熟度の高いブドウ果実を 造ることである(図3)。葉の形態形成、ケミカルバイオロジー、バイオインフォマティクス、遺伝子ネットワーク、ワイン、甲州ブドウ樹応用生物学部応用生物学部

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