2021研究紹介
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47キーワード相談に応じられる内容キーワード相談に応じられる内容植物病原菌の感染機構の研究有効で安全な植物保護への基盤情報の提供TSUGE Takashi応用生物学部 応用生物化学科教授 柘植 尚志植物病害、植物保護、植物病原菌の研究法、植物病原菌類の遺伝子解析 人類の食を支える植物生産には、根粒菌、菌根菌などの共生(有用)菌、植物に病気を引き起こす病原(有害)菌など多くの微生物がかかわっている。安定した植物生産を確保するためには、これら微生物をよりよく理解し、有効な利用技術、制御技術を確立することが重要である。 農業技術が進歩した現在でも、世界的には、毎年15%ほどの食料(約8億人分の食料)が植物の病気によって失われている。このように食料の安定供給を脅かす植物病害の約80%は菌類(カビ)が原因である。 当研究室では、植物生産に深刻な被害をもたらす病原菌類の研究に取り組み、病原菌の植物感染機構を総合的に理解し、より有効で安全な植物保護への基盤情報の提供を目指している。【研究テーマ】●植物病原菌の病原性 菌類の植物への侵入、植物中での定着・増殖、それぞれの病気に特徴的 な病徴発現に関与する遺伝子群の同定 ●植物病原菌の宿主選択性 病原菌の宿主選択性を決定する因子・遺伝子の同定●植物病原菌のゲノム進化 病原性・宿主選択性に関与する遺伝子が集積した染色体の構造と起源の解明●植物病原菌の起源 病原菌の作物以外の野生宿主の探索植物病原菌、病原性、宿主選択性、ゲノム進化キーワード相談に応じられる内容機能性成分の生理作用と酵素阻害剤の創製骨の健康を目指してOHNISHI Motoko応用生物学部 応用生物化学科教授 大西 素子 ヒトの組織や臓器は多くの細胞によって作られており、これらの細胞が互いに情報をやり取りすることによって維持されています。細胞が情報を受け取ると、シグナル伝達が稼働し、細胞の増殖、分化、死などを引き起こします。そのためシグナル伝達に異常が生じると、がんやアレルギー、骨粗鬆症や神経疾患などを始め、様々な疾患が引き起こされます。私達はシグナル伝達を制御する酵素であるプロテインホスファターゼに着目し、その活性調節物質を見出すことによって、治療薬や機能性食品の開発に役立てたいと考えています。【研究テーマ】●昆虫細胞Sf21による組換えタンパク質の発現・精製 哺乳類の酵素を昆虫細胞で大量に発現、精製しています。真核細胞で発現 させているため、細菌などの原核生物と異なり、生体内に近い酵素が得ら れる利点があります。●プロテインホスファターゼ活性調節物質の探索 ハイスループットスクリーニングシステムにより、特異的なプロテイン ホスファターゼの阻害物質の探索を行っています。●骨代謝に対する機能性成分の作用解析 細胞レベルおよび個体レベルで、機能性物質の骨代謝に対する作用を 解析しています。生理活性物質、機能性食品、骨粗鬆症、がん特許P106参照独自HPプロテインホスファターゼ活性に対する評価、遺伝子組換えタンパク質の発現・精製、骨代謝に対する作用解析、動物細胞を用いた生理活性の評価応用生物学部応用生物学部

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