2021研究紹介
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44キーワード相談に応じられる内容特許P106参照キーワード相談に応じられる内容Zonal Hybrid SystemZHS熱とマイクロ波の高効率な複合反応の研究             SATO Motoyasu 工学部 創造理工学実験教育科特任教授 佐藤 元泰ゾーナルハイブリッド加熱による迅速・高効率、各種マイクロ波化学反応試験(Max 750℃)、都市鉱山レアメタル回収試験(廃電子部品の加熱分解)、セラミックス迅速焼結 マイクロ波加熱による効率的な反応を研究している。化合物1から2への化学反応や相変化は、1の状態の分子が、エネルギー障壁(活性化エネルギー)を乗り越え、2の安定状態に移る現象。温度が高いほど、分子の運動エネルギーが大きいので、この壁を越え易くなる。熱以外の方法で分子に揺動(運動エネルギー)を与えるならば、反応速度K*は、マイクロ波揺動と熱エネルギーの和であることを理論的に見出した。マイクロ波の作用の分だけ、低い温度で、同じ反応が得られ(左図)、また、この促進効果は、マイクロ波の質(コヒーレント性)と電磁界強度に比例して、大きくなります。【研究テーマ】●マイクロ波加熱に於ける非平衡遷移状態理論の研究●Zonal Hybrid System【ZHS】の開発 この理論をもとに、高品質のマイクロ波を狭いゾーンに閉じ込める新たな 高効率システム(ZHSと命名)を開発している。バイオ・製薬、有機・無機 化学反応、焼結、精錬、都市鉱山からのレアメタル回収など、様々な業種に、 省エネ・高選択性・高収率な反応系が提供可能である。マイクロ波励起音波、熱・音響フォノン複合、空間分離型マイクロ波・熱複合炉マイクロ波は、電気伝導性が高い耐熱壁の内部に照射され、熱は、この炉壁を通して外部から供給されます。つまり、マイクロ波と熱のエネルギーは、それぞれ、空間的に隔離して与えます。マイクロ波電波を反応に必要な容器の内部に閉じ込めるため、電界密度(強度)を高く出来ます。!!!"!k*=q†qaqbRTh+m*2hexpE*RT キーワード相談に応じられる内容キーワード相談に応じられる内容超伝導転移端センサーによる高分解能X線分光OKADA Shinji  工学部 創造理工学実験教育科准教授 岡田 信二ミュオン(放射光)等のビームを用いた実験研究、高分解能X線分光実験、超伝導検出器の応用 超伝導転移端センサー(Transition Edge Sensor)とは、極低温技術を応用した次世代の放射線検出器のひとつで、TESの略称で知られています。当研究室では、量子ビームによる実験研究を、TESマイクロカロリメータと呼ばれるX線検出器を用いて推進しています。その名の通り、超伝導から常伝導への相転移に於ける急激な抵抗変化を利用し、微量な温度変化を高感度に測定する熱量計(マイクロカロリメータ)です。0.1Kという極低温で動作させるため超低雑音を実現し、従来の半導体X線検出器(Si検出器、Ge検出器)に比べ1~2桁優れたエネルギー分解能を持ちます。近年、多素子化技術の進展により、大幅な検出効率増加を実現してます。本検出器を用いた研究テーマは以下の通りで、様々な加速器実験施設にて推進しています。【研究テーマ】●エキゾチック原子を用いた基礎物理学の研究@J-PARC - 飛翔型ミュオン核融合の原理実証実験 - 強電場中における量子電磁力学QEDの検証実験 - ハドロン(K中間子等)と原子核間の強い相互作用の研究●ミュオン及びミュオン原子蛍光X線の高い透過力を利用した、物質内部の 高分解能非破壊元素分析@J-PARC●優れたエネルギー分解能を活かし、近接した蛍光X線からの混ざり込みを 抑えた、多元素を含む試料に対する蛍光XAFS実験@SPring-8●TESを、光子(X線)ではなく、低エネルギー中性粒子のエネルギー測定に応用 した、原子分子衝突実験@理研(低温静電型イオン蓄積リング)超伝導検出器、TES、X線分光、ミュオン核融合、エキゾチック原子、元素分析、XAFS工学部工学部

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