2021研究紹介
23/111

22キーワード相談に応じられる内容キーワード相談に応じられる内容キーワード相談に応じられる内容図1:スパッタ成膜中の風景図2:透明で電気が流れる薄膜(透明導電膜)環境調和型薄膜の合成とデバイスへの応用YAMADA Naoomi工学部 応用化学科教授 山田 直臣薄膜形成技術、導電性酸化物の開発、導電性物質の評価 など 近年、地球にやさしいクリーンなエネルギー源や環境浄化作用を有する材料が強く望まれています。当研究室では、薄膜技術を通して、このような環境調和型のエネルギー源や材料に関する研究・開発を行っていきます。 薄膜合成には、スパッタリング法を使用します。スパッタリング法とは、ターゲットと呼ばれる出発原料をプラズマによって気化し、基板上へ原料物質の薄膜を堆積させる方法です。スパッタリング法は、工業的に確立された手法で、多くの産業分野で用いられています。合成中の様子を図1に示します。 一例として、図2にスパッタリング法で作製した透明で電気の流れる薄膜、透明導電膜を示します。安価で高性能な透明導電膜を、大面積基板上へ高速に成膜することは重要な開発項目の一つです。【研究テーマ】●新しい透明導電体の開発●可視光に対して透明な半導体材料●酸化物をベースとした薄膜太陽電池●薄膜のあたらしい合成方法の開発薄膜、スパッタ法、透明導電膜、太陽電池工学部キーワード相談に応じられる内容環境順応型機能材料の開発とその応用MIYAUCHI Toshiyuki  工学部 応用化学科准教授 宮内 俊幸木質バイオマス、イオン交換体、IC-FIAシステムバイオマス資源の利活用 環境負荷の少ない木質系機能材料の開発を目指している。開発した材料の主な用途は、陰・陽イオン交換体の担体、キレート樹脂の担体、気体吸着材、色素吸着剤、酵素吸着材などであり、これまで合成高分子が担ってきた材料分野である。木質バイオマスはカーボンニュートラルな材料であるため二酸化炭素の削減、地球温暖化防止に繋がり、また、低コストであり、安全性に富むといった利点があげられる。木質系機能材料の原料は「おが屑」であり、生体高分子であるおが屑の構造を保持したまま、その特性を活用する。おが屑は分子レベルの緻密な構造を有し、かつ親水性に富むので、物質の脱・吸着にたいして効果的である。従って目指している材料の用途に叶った材料となる。具体的には、スルホ型、カルボキシル型、ポリアミン型、リン酸型などの機能材料を開発し、これらの材料を用いて排水中染料の吸着・除去、都市鉱山中のレアメタルの分離・回収システムの構築、固定化酵素による臨床分野でのFIAシステムの構築、食品加工における脱色・脱臭・精製などを実施している。【研究テーマ】●リン酸型木質バイオマス機能材料の合成と金属イオン吸着特性●固定化ウレアーゼカラムを連結したIC-FIAシステムを用いた血清中尿素、尿中 尿素および香粧品中尿素の定量●スルホ型木質バイオマス系陽イオン交換体の合成と色素吸着特性工学部

元のページ  ../index.html#23

このブックを見る