生命健康科学部 作業療法学科
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作業療こんなに幅してい 皆さんは、「理学療法士の後を受けて、より応用的な訓練を行うのが作業療法士だ」と思っていませんか。しかし実際には、急性期の――例えば、脳出血の手術を終えて意識がまだ戻らない患者さんのリハビリテーションにも、私たちは関わります。このとき、理学療法士が主に運動機能に注目して下肢や体幹に刺激を加えるのに対し、作業療法士は話しかけたりすることで意識や精神機能にも働きかけ、その人のアクティブな部分を引き出すよう努めます。 もちろん、患者さんが急性期を脱した後も私たちの仕事は続きます。回復期を経てご自宅に戻られた後まで、長く深く患者さんの生活を支えていける医療専門職。そこが作業療法士ならではの魅力です。 また、私の専門分野である手の外科領域のリハビリテーション「ハンドセラピィ」に関心がある人にも、作業療法士をめざすことを勧めたいですね。障害のあるこどもの領域身体 障害領域長く深く、患者さんに関われる医療人。 障害のある子どもは時に、奇声をあげたり、走り回ったりと、傍から見ると問題行動と捉えられることがあります。しかし、子どもはただどうしたらよいか分からず「助けて!」と表現しているのかもしれません。このように子どもの思いと大人の思いがすれ違い、皆が困っていることがよくあります。作業療法士は、子どもの行動を医学的な視点で分析し、子どもがどのように困っているのかを理解することができます。実際に保育園や学校に訪問し、子どもの行動の理由を考え、先生方と実際の場面での関わり方や環境設定を話し合う仕事もします。個別作業療法では、子どもが日常生活で困っていることを理解したうえで、楽しく遊ぶこと(遊びという作業)を通して、最大限に子どもの力を引き出し、解決できる力を育てます。そして子どもの成長が、ご家族や先生の喜びにつながります。 作業療法士は子どもとご家族・先生との懸け橋になるという大切な役割を担うのです。伊藤 玲子 助教岡野 昭夫 教授在宅復帰を想定した日常生活活動支援学演習の実習場面ハンドセラピィの授業場面ハンドセラピィにおけるスプリント作製場面「子どもの作業療法の実習場面ーボールプールを使ってー」

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