幸友21
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江﨑 企業経営や大学教育を取り巻く環境は大きく変化し、中でも雇用を取り巻く三つの社会変化は著しいものがあります。①人口構造の変化では、人口減少によって労働人口自体が減る中で、働き方改革により生産性の向上が叫ばれ、働く者にとってはキャリア自立が求められています。②テクノロジーの進化では、AIやIoTなどの技術進化に伴い、人がやらなくてはならない仕事とテクノロジーに置き換わっていく仕事の棲み分けが進んでいます。③経済のグローバル化では、日本国内でも多様な価値観が存在して、その価値観を理解するだけでなく、受け止めながら活用していくことが求められています。これら三つの変化を踏まえて中部大学が考える「人間力創成教育」について学長からお願いします。石原 本学は今年、学園創立80周年の節目で、教育改革を考え方から捉え直していこうとしています。1964年に中部工業大学が誕生してから、1984年には中部大学に名称を変え、2008年に現在の7学部体制となり、以降、全学共通教育を約10年かけて見直してきました。1991年の大学設置基準の大綱化により、教養教育の位置付けが変わり、2004年の国立大学の法人化以降、急速に大学改革が進む中、我々は7学部をつなぐ形で全学共通教育を整えてきました。それをさらに推し進めるため、全学共通教育のグローバル化という視点でまとめ直し、この4月に「人間力創成総合教育センター」(英語名称はグローバルエデュケーションセンター)を発足させました。大きな社会変化の中で、我々人間が強く生きていくには、学びそのものの性格を変えなくてはなりません。今までは授業で知識を授けて先端を教えてきましたが、これからは自らが学んでいく姿勢に変えていく必要があります。則ち知識を教えてもらう教育から、自ら学び、自らの才能を見つけ出して伸ばしていく教育です。江﨑 受け身ではなく、主体的に学ぶものを見つけていこうという強い姿人間力創成総合教育センター(Global Education Center)「教育」の原点は個の才能を伸ばすことにあります。知識を教え込むことを中心におく教育から、個の学びを尊重し、才能を引き出しそれを伸ばす高等教育に重点を移します。そのため、人間力の基礎を身につけ、それを発展させ、専門力と相まって、実践力豊かな「あてになる人間」を育成する教養教育のセンターを立ち上げました。それにより、中部大学の建学の精神「不言実行、あてになる人間」を具現化し、日本における『学びの拠点大学』になることをめざします。人間力基礎教育部高等教育における学びの意味を習得する。初年次教育科目(スタートアップセミナー)。初年次教育プログラムコミュニケーション能力を高めるために、語学の学習機会を提供する。言語スキル(日本語、外国語)とともに国際的視野を身につける。国際戦略部門に配置された語学教育センターと連携する。語学教育プログラム大学教育を受けるために必要とされる情報スキルの基礎を学ぶ。情報教育プログラム健康とスポーツ科目(健康科学、スポーツA~C)。健康とスポーツ教育プログラム人間力発展教育部専門分野を超えた視点で社会における諸問題を判断・解決するための教養を身につける。学部を超えた他分野に関心の幅を広げ、国際的視野を身につける。教養課程教育プログラム中部大学の研究の特色を活かし、その時々の社会背景などに対応した複合的課題を学び、広い視野と総合能力を養う。特定課題教育プログラム人と関わる力や行動する力を身につけるため、グループワークを取り入れ、ライフプランやキャリアデザインを考え、自立心や公益心を養う。キャリア教育プログラム全学の多様な教職課程に関連する授業科目。教職課程教育プログラム特集スペシャル座談会企業が求める人材像と中部大学が考える人間力創成教育企業が求める人材と中部大学への期待04

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