幸友21
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中部大学産官学連携推進課では、企業の皆様のニーズに応じて、関連分野の研究者を紹介しています。共同研究や委託研究など、研究支援の相談窓口としてお気軽にご相談ください。0568-51-4852(直通)産官学連携推進課[幸友会事務局]0568-51-4740(直通) その名も、『空飛ぶペンギン』。棚橋教授が進める研究は、水空両用小型電動垂直離着陸機の開発、平たく言えば、空中と水中の両方で使える小型ドローンの開発です。垂直離着陸へのこだわりは、滑走路がない場所でも離着陸を可能にするため。現在は約5の荷物を運ぶことを想定中です。また、「漁業の場合、基本的には水中での利用になりますが、海上探査もニーズはあるはず。翼をカートリッジ式で取り換えて川や海なども調査できれば利便性が良く、水中と空中の両方で使えることは製品としても魅力になると思います」と語る棚橋教授。近年では、高効率で便利な安全性の高いドローンのニーズが高まっていますが、飛行時間が短いことが未だ難点だとのこと。しかし、「飛行機のように翼の揚力を使えば少ないパワーでも長時間飛ぶことができる」と棚橋教授は見通します。まずは安全性を確保して、3年後の試作機完成を目指しています。 棚橋教授の前職は、三菱重工業(株)の研究員。流体や空力を研究する部署で航空機の開発に関わる風洞実験を行っていました。MRJ(三菱リージョナルジェット)の翼の着氷試験にも携わったそうです。「企業での経験を生かして、目の前の基礎研究が産業にどう生かされるかを学生たちと共有しながら、学生のモチベーションにつながる研究をしていきたい」と語る棚橋教授。一方、自動車に電動化の波が押し寄せたように、航空機の分野にもその波が広がっていることについては、「電動化や飛行制御については未経験の部分も多いため、他学科の先生や企業と連携・協力しながら実現していきたい」と語ります。今秋には新しく実験棟が竣工し、風速60mの気流を起こせる風洞設備が設置される予定。「より高い性能の装置でさまざまな実験が可能になります。整った環境の中、知恵を結集しながら研究を加速させていきたいですね」と新たな研究設備に期待を寄せます。模型の製作や機体まわりの流れの数値解析を行うなど、研究は始まったばかりですが、『ペンギン』が空を飛ぶ日もそう遠くはなさそうです。工学部 宇宙航空理工学科 棚橋 美治教授高効率で安全性の高い小型電動航空機の開発。左舷:水中用/右舷:空中用(2次元翼:外翼との間にカートリッジ装着/外翼はウィングレットに適用)空中用水中用モーフィング操舵ペイロード(宅配:~5kg)二重反転プロペラ垂直上昇下降時プロペラ/翼角度水平飛行時プロペラ/翼角度モーフィング操舵翼3年後の試作機完成を目指して。新実験棟が完成間近。新たな環境に期待。空力干渉、気流可視化、飛行特性、高速流空力加熱流体工学、熱工学、航空宇宙工学(主に風洞実験、空力研究)たなはし よしはる研究テーマ専門分野幸友会事務局を介したご相談も承っております。■水空両用小型無人 垂直離着陸機構想例 (カートリッジ式形態変更)20

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