幸友21
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ターを入れていく。それが働くことだとメッセージとして伝えています。先の話のように、大学で学んで終わりではなく、むしろその後の方が人生長いわけです。いろいろなことに好奇心を持って触れてきたこと、それこそもっと勉強しておけばよかったと思ったことと仕事とを結び付けながら学び、人間力を磨いていってほしいし、いつまでもブラッシュアップしてほしいと思っています。その結果が世の中から求められる企業になり、世の役に立っていくんだと思います。 また、先ほど転職の話もありましたが、これは入口に問題があるのかなと思っています。離職や転職を防止する意味では、インターンシップがいいでしょう。というのも、学生の皆さんが実際にこの企業に入るとどういう仕事をするのかを少なからず理解できるからです。説明会では大抵いいことを言います。でも入社すると合わない。ただ、それはその仕事とのマッチングがうまくいっていないだけだと思います。就業体験を通して、興味がなかったけどやってみようと思うことがあってもいいし、その逆で、やりたいと思って電気を学んできたけどこれは違うという判断もときに必要です。先輩社員から喜びや辛いことなど生の声を聞けると、本当の意味での働きたい自分の能力を伸ばしていけるし、人間力を高めていけるような仕事に就けると思います。山口 企業は人の集合体です。つまり一人ひとりが輝けば素晴らしい会社になるわけです。2000年に東海豪雨がありました。当社はその4日後に予定していた40周年記念式典に向けて準備を進めていましたが、式典をキャンセルして全社員でお客様の対応に全力を尽くした経験があります。お客様から困っていると連絡を受けたときに、これから行きますと言える社員を育てること、そのように社員一人ひとりが思うことが大事です。自らの意思で行動することが大切で、それを入社後に育てるのは難しい。だから、入社前から当社はこういう理念のもとで行動しているということが必要で、我々も、車を通して世の中の役に立つ、それを一緒にしたいと思う人を募っているわけです。つまり、インターンシップ等でその企業がどういう志を持って仕事をしているかを見ていただくことが大事なのです。そうした意思疎通はしっかりと図る必要があると思います。個の才能を伸ばすことは、どちらかというと欧米の考え方かもしれませんが、自分で考えて自分で答えを導き出すという教育は、世界と闘う意味でもこれから大事になってきます。ぜひ、まずは基本の人間力を育て、才能を伸ばすために自分で考えて工夫するということも教えていただいて、その上に技術的な専門知識も教えていただき、バランスの取れた人材を育成していただければと期待します。江﨑 学生時代は「学ぶ」、社会人になると「働く」という要素が強いですが、実は学ぶことと働くことは常にシームレスにつながっている、そんな世界をつくることが大切だと感じました。また、企業も大学もベースとなる人間力磨きは生涯続けられるという共通点も見出せました。今後、連携が進めばいい中部大学、いい中部地区、結果的にいい日本につながっていくと思います。本日はありがとうございました。特集スペシャル座談会企業が求める人材像と中部大学が考える人間力創成教育中部大学副学長・教授 すぎもと  かずひろ杉本 和弘氏人としてどう成長していくかを考える機会をつくっていきたい。10

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