幸友20
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「技マルシェ」(キャリア形成支援プログラム)も学内企業説明会や報酬型インターンシップと同様に幸友会と中部大学とのタイアップによる成果の一つです。さて同窓会には、同窓生や企業から人材確保における要望はありますでしょうか。村松 私自身は卒業後、出向も含めて4つの会社を経験しました。当時は、中部工業大学で電子工学科でしたから自ずと目標とする会社があり、就職が決まっていきました。卒業時に資格はありませんでしたが、あるとき一念発起して通信に関わる資格を取得。これは会社の立ち上げに携わったときの話ですが、中途で人材を採用する際、資格を重要視した採用を行いました。その一方で新卒を採用するときには、企業として歴史もなく無名でしたからとても苦労しました。しかしいま振り返ると、地元の電気や通信の業界には中部大学の卒業生がたくさん活躍していて、企業としてはありがたいなと感じています。また、同窓生の中には、規模はさまざまですが約600人の方が会社を経営しています。それだけの努力をされて現在に至っていると思うのですが、実は、そうなるまでのプロセスの情報がありません。と同時に、企業を経営する卒業生の立場からは、同窓会を人材を提供してくれる対象としてあまり見ていないのが現状です。最近では各支部から情報を提供してもらえるようになり、人的なネットワークという財産も増えつつありますが、個人情報のため取り扱いには気を付けなければなりません。愛知県の14の私立大学と情報交換をしていますが、その中で名簿を作っているのは数校で、本学の同窓会でもデータの管理は継続しますが発行は検討中です。一方で同窓会誌を発行すると、住所変更の連絡をメールでいただけるので、そういう方々は同窓会としても大事にしなければならないと思っています。大西 加藤さんの会社では新卒社員がほとんど辞めないという話がありましたが、何か理由はあるのでしょうか。加藤 一つには学生のメーカー志向があると思います。また、当社には開発、製造、販売、修理、営業などの職種があり、各々に合った仕事を社内で見つけようとしていますので、居心地の良さという面もあるかもしれません。また、当社を志望する学生の多くは、国内でモノづくりをしている会社に入りたいという意思があるように感じます。全職種の定着率が高いわけではありませんが、特に技術系新卒の定着率の高さは顕著です。定年退職もあり、部門間で調整もありますので採用は必要ですが、景気に波がありますし人口減少社会ですから、今まで通り、売上や粗利をしっかりと保持することを重視した人材確保を行っています。大西 技術系の定着率が高いというお話がありましたが、商工会議所の立場としていかがでしょうか。山田 大手企業では新卒が3年で3割辞めるという傾向がありますが、地元の企業ではそれほど離職率は高くなく、どちらかといえば入社「中部大学ファミリーの一員として 同窓会員のメリット創出を目指す。」中部大学同窓会 会長 むらまつ  まさひこ    村松 正彦氏Chapter2人材を確保するための具体的な取り組みスペシャル座談会企業が安定的に人材を確保するには特集06

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