幸友20
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います。しかし、ここ数年は売り手市場で参加企業数に対して学生数が少ない状況です。また、中部大学と密接な関係で行う事業として、学内企業説明会への積極的な参加があります。報酬型インターンシップ制度も5年目に入り、だいぶ根付いてきました。企業としての本音は、インターンシップは学生を育てるだけでなく、最終的には地元企業に就職してほしいという思いがあります。現状の売り手市場ではなかなか厳しいですが、今後は、会議所としても地元だけでなく、広範囲に会員企業を擁する幸友会と連携していろいろな施策を打ちたいと思っています。大西 次に、中部大学が取り組むキャリア教育の現状と課題について杉本先生からお願いします。杉本 本学では、キャリア教育科目として低学年の間に2種類の科目を用意しています。一つは、1年次の「自己開拓」で、自分がどういう人間であるかを知るための科目、もう一つは2年次の「社会人基礎知識」で、将来社会人として生きていくときに必要な心構えを中心とした授業を行っています。講義形式だけでなく、学生が自ら動く、アクティブラーニングを取り入れ、全学的な正課の科目として行っています。さらにキャリア支援課を中心とした「キャリアガイダンス」を2年次から実施し、「キャリア形成支援プログラム」として、計画的に就職への意識を高めています。また、各学部学科でも、それぞれの専門に応じて、自分がどのような職業人として生きていくかを考えさせる科目を設けているところが多くあります。ただ、資格系学部の場合は比較的目標が明確ですが、文系学生の中には、自分の将来像があまりはっきりしていない学生もいます。そういった学生にいかに早く自分の将来像をイメージさせていくかが課題です。また、本学に限りませんが、学生の就職状況を示すとき、大企業へ就職した割合をアピールしがちです。実はこれが、大企業への就職を良しとする考えを学生に植え付けている気もします。その先入観を変えるためにも、たとえば、春日井市内の企業に入社した学生の就職率も示すようにしてもよいのではないでしょうか。中部大学は地元企業を大事にしていることをPRしてもいいと思います。大西 そうですね。春日井市にある唯一の大学として、商工会議所、幸友会会員企業との連携により学生を育成していただけることは中部大学の強みです。低学年のうちにキャリアについて考えさせる工夫は、不言実行館の建設時に理事長が「人間力の育成」を掲げ、幸友会としても中部大学が行う人間力を高める教育に対する支援を事業の一つに位置付けています。また、昨年初めて開催した「地元企業を活性化させる 既卒者支援がこれからは必要。」春日井商工会議所 専務理事 やまだ  しんぺい    山田 真平氏05

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