幸友20
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来年4月に開設予定の宇宙航空理工学科には、航空宇宙に関係する広い分野の専門知識を持つ教員が集まっています。ミニ講演会ではその中から4人の教員が登壇、専門分野の紹介や新学科での挑戦について語りました。「宇宙航空理工学と 産業界との連携が生む 革新技術」近年、航空機の電動化が進み、有人機・無人機ともにさまざまな運用が検討されています。講演では、電動化が加速する背景をはじめ、温室効果ガスの低排出、低騒音、低振動、安い運用コストなど電動化がもたらす利点や今後の動向について紹介しました。また、新学科で開発予定の「水空両用電動無人航空機プロジェクト」にも言及。「宅配空輸支援、被災地探査・救難、農林水産業の生態調査、空撮、警備など幅広く活用できる全天候型とし、飛行時間の延長、安全性・利便性の向上を目指した機体開発を進めたい」と意気込みを語りました。高効率無人航空機の開発と運用構想工学部 機械工学科 教授 棚橋 美治演題 1ロケットや航空機の材料は、木材からジュラルミン、そして複合材料へと変化し、最新のボーイング787の機体には多くの複合材料が使用されています。ミニ講演会では、高分子材料が身の回りだけでなく、医療や航空宇宙分野等に幅広く使用されていることを紹介し、複合材料の強度や耐環境性などの実験について解説したほか、神田助教が現在取り組む超伝導ケーブルの研究内容として、「人工衛星や探査機等への搭載のため、断熱二重管材料の開発(JAXAと共同研究)など、軽量な合金を使った構造を構想中」と述べられました。宇宙・航空分野を支える材料技術超伝導・持続可能エネルギー研究センター 助教 神田 昌枝演題 2IoTが進む現代。身近な例としてGPSによる位置情報サービスが挙げられますが、最近では偽のGPS信号を使った“Spoofing(なりすまし)” が発生し、世界を脅かしています。海老沼講師は「一昔前は数千万円の費用が必要だったが、金額的にも技術的にもハードルが下がったことで偽のGPS信号に手を出しやすくなった」と分析。しかしながら、対策がほぼされていない現状を指摘し、自身の研究室で開発中のセキュリティシステムについて紹介するとともに「今後はサービスとセキュリティのバランスを突きつめたい」と展望を語りました。IoT時代の位置情報セキュリティ工学部 電子情報工学科 講師 海老沼 拓史演題 3農作物の状況を把握し、最適な作業をすることで生産性を高める「IT農業」が注目されています。本多教授は編隊衛星システムやドローン、「cloudSense」フィールドセンサ統合基盤など、先進的なセンシングサービス例を紹介。さらに「IoTが発展し、センサ系情報は今後コモディティ化する」と予測、取得したデータにいかに価値を付けるかが勝負だと力説しました。一例として、成長予測シミューレションサービスや農業IoTソリューション「e-kakashi」を紹介。また研究室が目指す「農業CPS(Cyber Physical System)」も説明し、IT農業の大きな可能性をアピールしました。宇宙からハイテクIT農業国際GISセンター 教授 本多 潔演題 4ミニ講演会会場:体育館中部大学フェア2017 —人づくり・モノづくり・コトづくり・夢づくり—37

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