幸友20
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工学技士が心臓手術に参加してチーム医療をしていれば、防げた可能性が高いとありました。 透析室では、腎臓が機能しなくなった患者が、1回4~5時間の血液透析治療を週3回行います。臨床工学技士は、患者に2本の針を穿刺し、機械の操作も含め治療に当たります。 病院やクリニックは、医療機器が無いと高度な医療ができません。その医療機器は、電気で稼働します。別の言い方をすると、病院やクリニックには、電気で動く医療機器がいっぱい溢れているということになります。しかし、多くの医療資格者は、養成校で医学について4~6年間勉強してきているのに、工学(電気)についての勉強はしていません。医療資格者で唯一、医学と工学(電気)を勉強しているのは、臨床工学技士しかいないのです。臨床工学技士は、世界で見ても珍しく、日本にしかない医療職種で、clinical engineerを略してCEと言われています。また、「いのちのエンジニア」とも呼ばれています。 これからは益々、高度化する医療機器の操作や管理が求められます。しかし、残念ながら全ての病院やクリニックで臨床工学技士が働いているとは限らず、まだまだ臨床工学技士の不足が解消されていません。病院やクリニックから、臨床工学技士の求人は沢山あるのですが、高校生の将来に就きたい職種に含まれることが少ないため、養成校に入学を希望する生徒数は多くありません。高校の進路指導の先生に、生徒から進路相談があっても、臨床工学技士を知らない先生が多く、積極的に臨床工学技士への道を勧めません。ゆえに、臨床工学技士のなり手が多くないのが現状です。 中部大学生命健康科学部臨床工学科は、多くの臨床工学技士を世の中(医療現場)に輩出して行く責務を強く感じております。また、医療の質が向上し、自分が安心して掛かれる病院やクリニックが増えることを強く望んでおります。身近な若者が将来の職業選択に迷っていましたら、臨床工学技士という資格があることを是非ご案内していただきますようお願い申し上げます。■臨床工学科の実習室は、実際の医療現場で使用する最新装置が揃った理想的な環境人工心肺装置人工呼吸装置血液透析装置24

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