幸友19
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中部大学ワイン・日本酒プロジェクト について中部大学フェア2016 —人づくり・モノづくり・コトづくり・夢づくり—ミニ講演会 会場:体育館ミニ講演会では、中部地区の伝統産業である醸造・発酵分野の活性化をふまえて立ち上げた「中部大学ワイン・日本酒プロジェクト」の活動と成果について紹介。中部大学のお酒と、甲州種ワインの試飲会も実施しました。 愛知県内の食品産業を技術面からサポートしている本センターで、酒類を担当している三井氏。国内の清酒消費量が大幅に減少している背景として「日本醸造協会が頒布している清酒製造用酵母の利用による酒質の画一化」と「若年層の清酒離れ」を挙げ、「個性が少なくなっている中、花酵母は華やかなイメージやストーリー性があり、協会酵母にはない特徴を付与できる」とアピールしました。中部大学で分離した芙蓉酵母の発酵特異性についての評価や、酵母の実用化に向けた試験醸造などの取り組みについても詳しく紹介。「試験醸造では口当たりが良く甘口に仕上がり、非常に好評です」と述べられました。酵母芙蓉1号の清酒醸造特性評価について三井 俊氏あいち産業科学技術総合センター 食品工業技術センター 発酵バイオ技術 主任演 題 2 世界的な和食ブームから、和食に合うワインのニーズが高まる現代。中でも最もふさわしいと言われているのが日本固有の甲州種白ワインです。しかし、日本にはウイルス非感染ブドウ樹がなく、上質のワイン醸造に至っていないといいます。そこで町田氏が進めているのが、ウイルス非感染甲州ブドウ樹の作製です。町田氏は甲州種の特徴を紹介し、成長点培養によるブドウ樹作出の研究過程を説明。「さまざまな検査を経て、現在はウイルス非感染甲州ブドウの実がなる段階にきています。将来的には、甲州ブドウ樹(富士1号)から造られるワインと中部大学の日本酒をコラボレーションし、世界へ発信したい」と意気込みを語りました。「中部大学ワイン・日本酒プロジェクト」今後の展開について町田 千代子中部大学応用生物学部 応用生物化学科 教授演 題 3 “大学ブランド酒”として誕生した「中部大学のお酒」について、プロジェクト発足のきっかけや応用生物学部が携わることになった背景などを紹介されました。金政准教授が取り組んだのは、日本酒に適した天然花酵母を探索すること。数十種類という植物の酵母を分析し、ようやく辿りついたのが“芙蓉”の花でした。芙蓉の酵母からつくったお酒はアルコール度数が17・6%と高いのが特長で、オリジナルの天然酵母でありながら市販品と遜色ないとのこと。「お酒づくりは奥深く、同じ作業を繰り返しても同じものができるとは限らない。大量生産に向け、それを実現していくのが目標です」と講演を締めくくりました。天然花酵母の探索から日本酒「中部大学のお酒」の開発まで金政 真中部大学 応用生物学部 環境生物科学科 准教授演 題 141

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