幸友19
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 NHKに入局後、ニューヨーク、ワシントンの支局長をはじめ数々の要職を歴任し、その後、米国屈指のシンクタンク、ハドソン研究所の首席研究員として日米関係・アジア戦略の調査・研究にあたってきた日高氏。講演は、今年度から中部大学に設置された経営総合学科・国際学科に所属する学生が多く集まるなか開催されました。「これから世界は大騒動になる。世の中はもめているときこそ若者には大きなチャンスだ」という言葉で幕を開けた講演は、核兵器の今後、イギリス離脱後のEUの動き、アメリカ大統領選と日本への影響など、世界情勢のいまを鋭く解説する形で展開。「今年5月にオバマ米大統領が広島訪問をした際、核なき世界への追求を決意する一方で、翌6月には国家安全保障会議を招集し、核戦力の大規模な増強を始めている」と述べ、核の問題が世界の大変動の大きな原因の一つになると指摘しました。また、南シナ海を巡る仲裁裁判のニュースを取り上げ、「世界中は核兵器なしでは戦争できない軍事構造になっている。戦争の理屈として、戦争が始まったら一つずつ破壊力の大きなものにつながっていく。アメリカと衝突した中国は核兵器に頼るという話に拡大する危険性は大きい」とも述べられました。 また、イギリスのEU離脱については、「イギリスは、世界の指導者としての立場を放棄したことは避けられざる事実」と称した上で、アフリカや東欧などイギリスの経済によって動かされていた地域が分散化するとともに、ドイツとロシアの同盟関係など新しい国際行政が生まれる可能性を示唆。さらに、日米関係については、大統領選の共和党候補、ドナルド・トランプ氏の日米安保条約不要発言を取り上げ、「米軍を撤退させればいいという議論は早とちりだ。アメリカは日本を必要としている。どういう形で同盟体制を新たに結ぶか、その交渉を誰が一番うまくできるかという話になるが、本来の国際関係から言えば、アメリカの力点ははっきりしている」と述べた上で、あらためて、これからは大変革の時代になると強調しました。企業経営に役立つ実践経営塾として、各界の第一人者を講師にお迎えし開催してきた企業経営講演会。また今回は、幸友会の後援で、新学科の開設記念講演会を行いました。それぞれの講演の模様をダイジェストでお伝えします。経営総合学科・国際学科開設記念講演会2016年7月13日(水)開催 [於:中部大学三浦幸平メモリアルーホール]戦国時代の世界が始まる日本はどうすべきか ひだか よしき日高 義樹氏 国際政治ジャーナリスト講師〈演題〉※所属・役職は講演会当時のものです。16

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