幸友19
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鈴木 秀美(すずき ひでみ)氏/昭和29年愛知県生まれ。愛知工業大学電子工学科卒業。キムラユニティー株式会社を経て、昭和63年株式会社シティ総研の設立に参画、取締役就任。同社退社後、平成9年システムサーバー設立。平成19年株式会社アイ・ティ・ワークスを事業承継買収。中部大学をはじめとする東海圏の大学において情報技術分野の講演・講義多数。 私は長年、コンピュータのシステム設計を専門とするシステムエンジニア(SE)として第一線を走ってきました。情報システムを提供する株式会社システムサーバーにおいても社員のほとんどがSEです。狭義ではシステムの設計者を指しますが、当社ではクライアントとの打ち合わせから設計・プログラミング・テストを経て稼働・サポートまで、一つの作品を提供できる人が一人前のSEであると定義づけています。いわば大工の棟梁のような存在であり、技術だけでなく志が欠かせません。しかし、人材育成において難しいのが、この志を教えること。実際、誰かに教えてもらうのではなく、自らの経験を後輩へ教える等の学びあいによって養っていくしかありません。自分だけでなく、ともに成長してこそ本当の成長です。 その成長のための指針としているのが、「自分たちで考えて、自分たちで行動する」です。会社設立時に、この考え方に賛同してくれる人と仕事をしたいと定めました。今では当社の行動理念となり、社として採用している「全員経営」の基本となっています。全員経営は、会社の経営計画やルールなどを全社員で議論し、全社員で決定する経営方針。すっかり定着し、私が経営者として独断で結論を急ごうとしても、社員からストップがかかるほどになりました。マイナス点がないわけではありません。全員が責任感を持って自分ごととして考えるため、事業の成績が伸びにくい時には士気が下がります。でも、そんな時こそ、全員経営の真の意義を理解するチャンス。現状を否定せずに、今後どうするかを主体的に考えるように導くのが社長である私の役目です。 自ら考えて動くことは、人生を選択して、自分の責任で未来へ歩んでいくことでもあります。そのような一生は厳しくとも、幸せを実感できることでしょう。これから情報技術分野では、IoTなど新しい技術へとトータルに守備範囲を広げていくことが求められます。技術開発とともに人づくりに力を入れ、仲間やお客様とともに成長することを喜びにしていきたいです。主体的に人生を選択しともに成長する喜びを。株式会社システムサーバー代表取締役社長「自分たちで考えて、 自分たちで行動する」変圧器やモータを使った製品で暮らしを支える電機メーカー「愛知電機」。企業戦略に合ったシステムソリューションを提供する「システムサーバー」。お客様とともに限りない成長を目指して前に進み続けるおふたりの企業経営者にお話を伺いました。12

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