幸友18
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者が、もっと有機的にコミュニケーションをとる必要があります。大学の先生にも企業を知っていただき、先生が企業の情報を持つことで、学生へアドバイスができるはずです。また、ネット社会で情報はたくさんあるけれど、実際に現地へ行かないとわからない部分もあります。ですから我々中小企業もいかに内容を見てもらうかを考えなくてはなりません。実は学生も敏感で、工場を案内すると、この会社は整理整頓がしっかりしている、挨拶をしてくれる、社員教育がしっかりしているなど、そういう雰囲気から会社を評価しています。最終的には自分の目で、自分の感覚で選んでいるのかもしれません。木野瀬 そうですね。買い手市場であろうと学生は常に選ぶべきです。一度や二度ではなく、何度も行って本質を見抜くくらいの目を養わないといけません。宮田 われわれ人事担当も、学生が何度も足を運んできたり、電話をかけてきてくれたりすると情が生まれます。同じように、大学の先生から「こういう学生がいるのだけれどどうだろうか」と直接話をいただける関係をつくっておけば、次年度のいい人材確保につながることもある。それも交流の一つです。木野瀬 学生に知ってもらう以上に、先生方にも我々企業を知っていただく必要がありますね。野村 まさにそれを12〜2月の間に当社は行ってきました。就活サイトは学生を集めるツールの一つにすぎず、どうしても一方的な情報発信になってしまいます。そのため、当社に魅力を感じて学生に来てもらうには、先生にもファンになってもらいたいという思いがありました。そこでキャリア支援課にお願いして就職担当の先生、また当社は中部大学のOBが多数おりますので、OBと一緒に先生に挨拶に行きました。先生も教え子の活躍を喜んでくださいます。そういう関係が築けたのは今年の我が社の活動の成果です。木野瀬 そういう事例によって良い効果が生まれたことをいろんな企業が真似すればいいと思います。もっと人とのつながりを大事にする気風が生まれれば、こういう後援組織はとても役に立つと思います。岡部 一つ懸念があるのは、初任給の引き上げなどを大幅におこなう大手企業が表れたことです。中小企業にはついていけません。そういったことに対抗するためにも、もっと我々も先生方に自社をアピールして、コミュニケーションをとっていく必要があるかもしれません。もっと就職懇談会を開いたり、できるだけ接点をつくったり、より先生方と話す機会を設けていただけるといいですね。木野瀬 これまでの話をまとめると、就職が学生にとっては人生の節目であるのに、それを「就活」という言葉で行事化してしまっているように思います。どううまく乗り切るかを学生が考え、大学も考え、企業も考えている。でも、人(学生)が一生を決めるとても大事な時期であるから、我々は内定の出し方一つにしても、もう少し学生目線で考える必要が新卒採用の実態とホンネ〜就職活動時期の変更に、私たちは何を目指すべきか〜特集生涯の仕事に出会えるアドバンテージを持たせたい。いちはら  こうぞう  市原 幸造氏中部大学 キャリア支援課次長08

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