幸友18
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会社説明会にも来てくれました。木野瀬 我々も学生に企業を知ってもらう努力が必要ですね。木野瀬 ここで少し観点を変えて内定についてお聞きしたいと思います。売り手市場になると、誓約書も有名無実になり、内定辞退者が出ます。我が社では内定を出すとき、「選ぶのは君たちです。内定を得た人は、我が社に入社する権利を勝ち得た。だから心が決まるまで誓約書は出さなくてもいい」と言って誓約書を渡します。するとその間、いろんな企業を見て回りますが、結果的にほとんどの学生が来てくれます。いま“オワハラ”や囲い込みをするという風潮がありますが、我々中小企業はもっと学生の立場で考える必要があると思いますがいかがですか。岡部 どうしても採用枠が少ないため、我々は一人あたりのウェイトを上げざるを得ません。いいと思う学生にはやはり入社してほしいし、このままだと一層囲い込もうとしてしまうのではないでしょうか。市原 私は、インターネットの登場で大学と企業との間に距離ができてしまったと感じています。就活サイトの登場と不況期が重なったことで、大学へ足を運んでくださる企業が激減しました。かつては応接室前に企業の方の列ができるという時期があったほどです。それくらい自社を知ってもらうための情報発信、あるいはどの先生の学生がどんな特徴があるかということを企業が熱心に研究されていたと思います。ネットでたくさんの情報が出ていますが、やはり最終的には「この会社はいい」という先生から学生へのサジェスチョンが大きく左右するはずです。そういうことが非常に薄れてきています。大学と企業とがもっとコミュニケーションを図り、インターンシップなどを通じてお互いに成長し合い、そのまま採用していただくくらいの関係を企業と築ければ、大学としてはありがたいことです。「夏休み頃から始めても就職は決まる。だから4年の夏まで学業と課外活動に集中しなさい」と、学生に充実した学生生活を過ごさせて、選考開始とともにお付き合いのある優良企業を学生に提示して、1、2社受けて決まる。理想論かもしれませんが、学生のレベルを上げて、どこの企業も欲しがる人材を目指せばいいわけです。木野瀬 とても理想的である一方、中部大学にとっては現実的でもあると思います。それは企業と大学がとても近い存在になりえている幸友会があるからです。今後は、企業も幸友会を活用して大学にもっと接近して、先生方から学生へ、「こういういい会社がある。卒業生もこれだけ社会で活躍している」という絵が描けたら、学生たちも心にゆとりを持って就活できるし、そこを目指して一生懸命頑張れる。その一部を我々幸友会会員企業が担えればよいのではないでしょうか。宮田 大学と企業、あるいは大学の先生と会社の人事や研究開発担当よりよい内定のため企業と学生が取るべき行動とはChapter 2[幸友会会員企業]旭サナック株式会社「塗装・圧造・洗浄」の特殊な事業分野で独自の技術領域を有し、自社ブランド製品を開発からアフターサービスまで一貫して行う、塗装機械・圧造機械のトップクラスメーカー。ニッチな分野であるが、強力な研究開発体制によりユーザーに最適な生産システムを提供している。大学と企業の良い関係が、人材確保につながっていく。みやた ひろし  宮田 弘氏旭サナック株式会社 取締役総務部長07

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