幸友18
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ではなく、3年生まで学生生活が充実していることがプラスに働くなら、時期の変更は学生にとってはよいと思いますが。宮田 学生には就職に対する意識の差を感じます。1年次から意識の高い人もいれば、周りの情報に流されて、友だちが行くから行ってみるという学生もいます。しっかりとした考えがなければ、会社に入って一体何をしたいのかはストレートに伝わってきません。意識の高い学生とそうでない学生の間で格差はありますね。木野瀬 学生の意識の問題が出ましたが、野村さんから見て学生に足りないもの、あるいは大学に期待すること、社会人の意識について思うことはありますか。野村 最近は、受け身の姿勢の若者が多いと感じています。学生の間は授業料を払って勉強を教えてもらっていたかもしれませんが、入社してからも受け身の姿勢が見られます。もちろんある程度の教育はしますが、その後は興味を持って、もっと知りたいと思ったら自分で調べ、聞き、情報を取りに行く。そういう部分の弱さは感じます。興味を持つことをやめてしまえば成長も止まってしまいます。人間力養成のためにも、いろいろなことにチャレンジしてほしいですね。木野瀬 そういった教育は1年次からできます。特に山下興亜学長が、建学の精神「あてになる人間」の育成について繰り返し口にされているように、初年次から行う必要があると思いますね。岡部 我が国の企業数の99.7%が中小企業で、雇用の約7割を支えているわけです。ただ、中小企業のアピール度が弱く、人気は大企業へ流れてしまいます。我々も中小企業の良さをアピールする努力はするけれど、もっと大学にもそれを学生へ伝えてほしいという思いもありますね。市原 職業の方向感覚を持って一定の期間内に決めるためにも、いわゆる職業教育は低学年のうちからすべきと思い、本学は積極的に取り組んでいます。キャリア支援課でも文系学部の2年生向けのキャリア形成支援プログラムを用意したことで、これらの学部の内定率がアップしたという成果も表れており、低学年から職業的な方向感覚を養うことは絶対に必要です。そういう意味ではインターンシップも非常に重要で、今は3年生の夏休みに行っていますが、報酬型インターンシップなど、場合によっては低学年まで広げていくことも重要だと考えています。野村 当社は今年、初めてインターンシップを受け入れました。その大きな理由は、会社を学生に知ってもらうためです。2月に行いましたが、参加した学生は意識も高く、3月の[幸友会会員企業]株式会社生方製作所世界トップクラスの温度・電流・振動センサー&スイッチメーカー。安全をカタチにするテクノロジーを追求し、インターナルモータープロテクター、感震器などを自社ブランドで販売する自主独立型の経営姿勢を貫く。技術力の証となる特許出願数は、海外出願も含め1100件を超える。自社の魅力を伝えるために先生方への情報発信を重視。のむら ひろき  野村 拓喜氏株式会社生方製作所 マネジメントセンター副センター長新卒採用の実態とホンネ〜就職活動時期の変更に、私たちは何を目指すべきか〜特集06

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