幸友18
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乳製品、ハム、ソーセージなどの肉製品や、パン・麺類などの生産・加工を実際に行うことができる全国に類を見ない本格的な食品製造実習プラントの設備や機械装置など、応用生物学部食品栄養学科の学生たちによる説明を聞きながら見学しました。中部大学フェア2015 —人づくり・モノづくり・コトづくり・夢づくり—二村氏によると、物資輸送船を搭載したアメリカやロシアのロケットが打ち上げに失敗したことで、JAXA経由で、急遽NASAから追加で物資を搭載してほしいという要請に応えたのが今回の「こうのとり」だといいます。近年、日本では打ち上げの失敗はありませんが、海外ではこうした失敗があるのだそう。これについて二村氏は「ロケットはちょっとした油断で事故につながる。それゆえに人手をかけ、たくさんの人の目を用意し、試験を行い、データをとり、くもりない気持ちで打ち上げに臨まないといけない。他国の失敗例をあざけるのではなく、同じことが起きないように調査をし尽くして打ち上げているのが今の日本のロケットです」と述べられました。 一方、新たな日本のロケットとして開発しているのが、2020年度に初号機打ち上げを目指しているH3です。アメリカ、インド、中国、ロシア、EUもそれぞれ新たなロケットを開発中で、各国とも2020年頃までには新機種が出揃うとされており、日本のライバルだとおっしゃいます。また技術面だけではなく価格面でもすでに競争が始まっており、「我々はこの中で一定のシェアを勝ち取ろうとがんばっている」と二村氏。さらに最近、新型ロケット開発同様、各国がしのぎを削っているのが火星などの宇宙探査。これは太陽系や惑星の成り立ちなどの調査を行うもので、二村氏によると「アメリカ、インド、中国、EUなどが現在、火星に探査機を送り調査を行っており、日本は少し遅れている」と現状への危機感を示されました。 打ち上げまでの膨大な工程を多くのパートナー企業とともに歩んできたロケット開発プロジェクト。だからこそ二村氏は「打ち上げに対する責任以外に、こういった人々の“想い”も一緒に背負って打ち上げなければならない」とおっしゃいます。「ロケットに未来をのせて」。技術者たちの挑戦は続きます。食品プラント食品プラント1階のハム製造機械について説明する学生食品プラント2階の乳・乳製品プラント見学者からの質問に答える学生施設見学会40

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