幸友18
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7学部を擁する総合大学として多分野を横断する共同研究体制を整える中部大学。今号は社会への貢献が期待される4つの研究活動をご紹介します。産官学連携あるいは事業化等にご活用ください。 地震・火山の活動期に入ったとも言われる日本列島。ここ数年、異常気象による自然災害も増えてきました。三摩教授はNHK(日本放送協会)での災害を中心とした取材、ニュース・番組制作、編成などの現場経験を基に、災害情報と放送メディアを専門とする映像と言葉による効果的・効率的な情報伝達について研究をされています。「これまで災害情報や地震・津波の専門家の方々と意見交換する中で、生命・財産に関わる緊急度の高い災害情報を、いかに先入観や偏りなく明確に伝えられるかの重要さを強く感じてきました」。その言葉通りNHK社会部時代のエピソードとして、切迫性の高い火山情報にも関わらずその名称によって情報が軽視されてしまうと考えた災害情報の研究者が行ったアンケート調査の結果をニュースとして取り上げ、気象庁に問題提起をしています。現在の火山情報に“警報”という言葉が含まれるまでに至ったのも、そのような問題提起があったからです。「今度は放送メディアの外側から、放送メディアで使われた言葉や映像による伝え方について考えていきたい」と研究への意気込みを覗かせます。 「話をしている人の映像を撮影する場合、その場の雰囲気や話を聞いている人の反応など一歩引いた視点からの映像を組み合わせることで、より正確で効果的な情報伝達が可能になります。このような映像制作のノウハウを活かし、学生たちと学内イベントや先生たちの研究活動をVTRにまとめ、先生や地元ケーブルテレビ局へ提供しています」。現在、春日井商工会議所に加盟する企業を対象にした映像制作活動を計画中とのこと。実現すればプロモーションや営業ツールとして活用できる映像を企業に提供できるだけでなく、映像制作を通して学生が企業活動を知る良い機会が生まれ、地域経済の活性化とともに学生の成長が期待されます。今後、この新たな挑戦に注目が集まりそうです。映像と言葉による放送メディアの情報伝達のあり方を検証・実践する。人文学部 コミュニケーション学科メディア教育センターさんま まさみ     三摩 真己教授[専門分野]災害情報、メディア、映像制作 [研究テーマ]災害情報、メディア論緊急度の高い情報を明確に伝える。映像制作の経験を活かし、地域社会に貢献。災害情報学・放送メディアメディア教育センターでの映像制作の様子20

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