幸友18
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 ラグビー日本代表を13年間務め、神戸製鋼の7年連続日本一にも貢献。現役引退後は、ラグビーを通じて得た感動を子どもたちに伝えたいとNPO法人を立ち上げ、感性の教育に力を注いできた林氏。講演では、ラグビーから学んだことの数々とリーダーの条件についてお話いただきました。「命をかけて戦う、そんな熱いラグビーに出会わせてもらった」と語るのは、全日本高校代表に選ばれて行ったオーストラリア遠征でのこと。このときの恩師との出会いが、ラグビーとの運命的な出会いだったと振り返りました。その後、大学、社会人と続くラグビー人生の中でのさまざまな出来事とそのときの感情を熱く語る林氏。神戸製鋼時代、8連覇がかかった大会で負けたときの試合をこう分析します。「勝ち続ける中で、勝つ喜びがだんだんわからなくなってきた。その分だけ負ける悔しさもわからない。何か大事なものを鈍らせて、よどませてしまっていたような気がして仕方なかった」と。また、「“知は力なり”という言葉があるが、ラグビーをやっていたらそんなことないと思うんです。頭からは力が湧いてこない。力は“感動”から湧いてくる。つまり感動を失った神戸製鋼は勝てなかったんです」。いかに感性を磨くことが大切かを説きました。 さらに、リーダー像については、ベルギー大学のジョセフ・バジール教授によるリーダーの3つの条件を挙げて説明。「リーダーは人に動いてもらって仕事をする人です。では動いてもらうにはどうしたらいいか。それは感じてもらうこと。人のことを感じることができず、人に感じさせることができなければ人は動きません。そういう意味で感性は力です。ラグビーは思いを託されるスポーツ。思いを託された人はボールを持って走る。そしていろんな見えないものを背負っている。目に見えないものが大事。ジャージを着られなかった奴の思いを託されて、その思いを感じるか感じないか、それが感性です」。湧き上がる感動体験の必要性を力強く説く林氏の魂が込められた言葉に、会場の皆様も心を熱くしていました。テヘラン、パリ、ローマの特派員を経て、世界のトップの宴席の舞台裏を見つめ続けた外信記者。オックスフォード大の歴代ベスト15に選ばれ、世界選抜でもプレーした経験を持つラグビー選手。一流の世界に身を置き、見てきたものは、感じたことは、学んだことは何だったのでしょうか。臨場感あふれるエピソードの数々に、参加者があっという間に引き込まれる講演になりました。第24回 企業経営講演会2015年7月8日(水)開催若者が瞳を輝かせる、心あるリーダーシップ像とははやし としゆき林 敏之氏 特定非営利活動法人ヒーローズ 会長演題講師16

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