幸友17
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 テレビでもおなじみの武田先生にはクールビズから始まり資源や節約など、技術者の目線でユーモアを交えながらお話いただきました。 武田先生は日本は“仮装社会”だとおっしゃいます。その仮装社会が「日本の中で技術者に最も打撃を与えている」と。武田先生が定義する仮装社会とは「あることを決めなきゃいけないけれど決められない。しょうがないから仮の姿でいく」社会のこと。憲法9条、赤字国債、年金制度といった政治経済の分野だけでなく、資源や環境、科学の分野もすべて仮装社会だと先生はおっしゃいます。そして技術者系の思考にとって理解し難く、本当の解決ができないこの仮装社会をなくしていかなければならないと。「そのためには大人が勇気を持って事実を見て、そしてそれをひとつひとつ自分たちの考えで解決していかなきゃいけない」と話されました。 さらにまじめで会社のために貢献しようと思っている多くの技術者が挫折しないために「他人の評価によって自分の人生を変えない。そういう確固たる力をつけてもらうのが非常に重要だ」とおっしゃいます。また、「世界でも飛び抜けて優秀」だという日本の技術者を、「叩くことなく伸ばしていくという教育や産業界の受け入れ方というものが今後の日本には非常に大切」だと説きます。研究開発は心が崩れたらいくらでもさぼれる。「研究は活性が第一。研究開発は、やはり人間の心のファイトとか誠実さとか、そういうものが最後の決め手になる」と締めくくられました。PROFILE1966年東京大学教養学部基礎科学科卒業、同年旭化成工業株式会社入社、1986年同社ウラン濃縮研究所長、1993年より芝浦工業大学工学部教授を経て、2002年より名古屋大学大学院教授、2007年より中部大学総合工学研究所教授、2014年より同特任教授。「ホンマでっか!?TV」(フジテレビ系列)をはじめ、テレビ、雑誌等でも活躍。技術開発に成功する秘訣中部大学 総合工学研究所 特任教授 たけだ くにひこ武田 邦彦氏 施設見学会[会場]学内の各施設分析計測センターでは、核磁気共鳴装置やX線光電子分析装置などを見学。また、機械工作実習室では旋盤や5軸複合加工機などを、CAD教育施設では複数の3Dプリンタなどを、実際にどのようなことができるかの説明を聞きながら見学しました。Symposium 2 技術相談・知的財産相談コーナー[会場]体育館中部大学のコーディネーター8名を会場に配置し、企業様からの相談に応じました。CAD教育施設内の粉末式3Dプリンタ複合加工機で作られる部品もあわせて見学透過型電子顕微鏡 交流コーナー[会場]体育館会場内の交流コーナーで、ご来場者の皆様と中部大学の研究者とが、自由に意見交換を行いました。中部大学フェア2014 —人づくり・モノづくり・コトづくり・夢づくり—40

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