幸友17
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 私の研究テーマ「日式建築」は、韓国・台湾で日本統治時代に日本人がつくった建築を総称したものです。研究の発端は、今から20年程前。日本と韓国の関係について調べている大学時代の先輩からの再三に渡る韓国同行調査の誘いに折れ、韓国を訪れたことに始まります。戦前・戦中の日本の街の調査をしてみると、おびただしい数の日式木造住宅が確認できました。いずれも築半世紀を越え、風化して無くなることが容易に考えられたため、歴史的事実をせめて記録に残す研究をしよいつの時代も歴史の大きなうねりの中で、ひたむきに生きる人たちがいます。しかし、激動の時代に生きる人たちの姿が必ずしも多く語られるとは限りません。そこで今回は、かつて日本と不幸な関係にあった韓国・台湾での建築調査から見えてきた、歴史的事実と国際社会で通用する人のあり方ついてお話を伺いました。今回のテーマ中部大学 工学部 建築学科中部大学附属三浦記念図書館 館長 ないとう かずひこ内藤 和彦教授早稲田大学・同大学院卒業。工学博士。建築計画、建築デザイン、地域計画を専門分野とし、日本建築学会、日本建築家協会、愛知建築士会、中部インテリアプランナー協会などに所属。農村環境改善センター、住宅、飲食店、事務所などの作品がある。趣味はバイク、金魚とメダカの飼育。今回お話を伺った方―研究テーマの決定に、本との出会いが影響しているとお聞きしたのですが。6歴史の真実から学ぶ、国際社会で通用する人。25

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