幸友17
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工学部にロボット理工学科が新設され、7学部30学科の総合大学となり、“地域と共生する大学”として“真の産官学連携”を目指す中部大学。共同研究や事業化等にご活用いただける4つの研究活動をご紹介します。 ロボットの視覚機能の実現に向け、画像認識やコンピュータビジョンと呼ばれる分野を専門に研究している藤吉教授。研究の応用先はさまざまあり、これまでにもいくつか製品化されています。その中の一つ、「人物を検知するセンサーライトカメラ」は、私たちにも馴染みのあるインターホンのカメラに利用されています。同じ画像認識の研究分野から生まれたものには、デジタルカメラの顔認識機能が挙げられます。藤吉教授は、他の先生たちと研究グループをつくり、機械学習とそれを応用させた研究テーマについても取り組んでいます。「企業が必要としているものに近い分野の研究をしているので、実用化されることは大きな魅力です。学会での研究発表が縁で、これまで多くの企業と共同研究をしてきました。共同研究をするからには対等な立場で臨み、企業の現場に出向いて課題を把握します。企業側も分からないことを大学に丸投げするのではなく、共同研究や受託研究を通して一緒に議論できる知識を身に付けてもらいたいと考えています」。 クラウドネットワークとつながり、情報端末の一つとして再び脚光を浴びているロボット。人の形をしたものだけがロボットとは限りません。「本学のロボット理工学科では、『感じる』『判断する』『動く』の三つが備わっている人工物をロボットと定義付けています。ですから、私たちの暮らしの中にある人の体の部位ごとの温度を検知して作動するエアコンはロボットエアコンですし、人や物体を検知して自動的にブレーキをかける自動車もロボットカーと言えます」。先頃、障害者や高齢で寝たきりの人たちの生活の質の維持・向上に貢献する生活支援ロボットを開発しているトヨタ自動車株式会社と中部大学工学部ロボット理工学科の間で共同研究契約が結ばれました。今後、生活支援ロボットの視覚機能の部分で、藤吉教授の研究成果が発揮されそうです。工学部 ロボット理工学科 ふじよし    ひろのぶ藤吉 弘亘教授[専門分野]画像処理工学、コンピュータビジョン[研究テーマ]機械学習を用いた高精度物体認識に関する研究—ロボットの視覚機能の実現—■Joint-HOGによる物体検出例共同研究の成果は、製品化だけではなく、知識を得ること。豊かな将来を見据え、ロボットの視覚機能の実現を目指す。動画像理解技術により、ロボットの視覚機能を実現させる。画像処理工学NO.220

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