幸友17
16/48

 コミュニケーション・デザインは、企業と商品と生活者との関係性の構築において従来の広告の枠組みだけでなく、生活者とのあらゆるコンタクトポイントを考えること。それを基に、名古屋の企業や団体などへ広告企画の提案を行っている森口氏。広告・メディアの基礎知識を踏まえながら、これからの広告とコミュニケーションについてお話いただきました。 情報の過多や消費者行動の変化などにより、広告主のメッセージが届きにくいばかりか、従来のコミュニケーションが通用しなくなってきていることに触れ、消費者の心を捉え、誘い出すアプローチを考える必要性を明言。「インターネットの各種媒体やソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)の出現、スマートフォンなどの普及により、インターネット上で個別情報をやり取りする時代になってきました。情報の価値が変化したことにより、消費者データなどと連動させ、SNSを活用したコミュニケーションを総合的に考えるべきです」と、マーケティング・チャネルを有機的に組み合わせたクロスメディアコミュニケーションの重要性を訴えかけました。その成功事例としてJR九州の九州新幹線全線開通キャンペーンを挙げ、「告知だけでなく、キャンペーンを地域住民にとって“自分事化”させる参加型イベントにしたことが大きな成功につながりました」と映像とともに紹介されました。次に、マスメディアへの世代別接触態度や、東京と比較した名古屋エリアの特徴的な行動パターンについて話が及ぶと、参加者らは興味深く聞き入っていました。最後に、ビッグデータといわれる膨大な行動・履歴データの取得・分析によってもたらされるこれからの広告の役割とコミュニケーションの可能性を示唆するとともに、「コミュニケーションは親近感やデータマーケティングを踏まえたうえで、意志ある情報発信と生活者行動を分析して生活者と共創する時代に突入しました」と、次なる指針を示されました。企業経営講演会REPORT第21回 企業経営講演会2013年11月13日(水)開催〈演題〉これからの広告とコミュニケーションについて〈講師〉 もりぐち なおこ森口 奈緒子氏 株式会社電通中部支社 コミュニケーション・デザイナー15

元のページ  ../index.html#16

このブックを見る