幸友17
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 経営者として会社をいかに大きくするかを、この言葉を信条として考え、実行しています。前社長までは、無借金経営を良しとしていましたが、現在は社債を発行し、設備投資にも力を入れています。経営について先代から何か教えがあったわけではありません。それは自分で考えるべきもの、自ら考えて前に進むしかありません。 当社は、段ボール素材でトータル物流コストの削減に貢献する付加価値創造企業です。お客様は物流におけるさまざまな課題を抱えています。そのような課題を見つけ出し、いかに解決するかを考えます。そのため「他業界」をいかに「自業界化」するか、また「他業種」をいかに「自業種化」するかを考えています。例えば、木材やプラスチック素材のものを段ボール素材へ。木材パレットは輸出する際、熱処理等の消毒が必要ですが、耐久性の高い段ボールパレットに代替できれば、その必要がなくコストも削減できます。また、既存の木製パレットに、当社が開発したHB(ハイブリッド)ナビパレットをかぶせることで、パレットサイズを変えることもできます。 経営には常に判断力と決断力が不可欠です。周りの情勢をいかに判断して、いかに決断するか。タイミングを見定める目も必要です。また、かつて日本電産株式会社の永守重信社長が「どうせ夢を描くなら、もっと大きな法螺を吹け」と言っていました。つまり、法螺を吹いてでも大きな夢を持って取り組めということ。目標を高く掲げて自分を鼓舞していく。これも一つの企業経営の在り方だと思います。 私は、社員教育の場で「出る杭になれ」とよく言います。それは自己を前面に出す杭ではなく、みんなを引っ張っていくリーダーとしての出る杭です。未来に向かって夢を描いても、なかなか実現するものではありません。実現したところで、それで終わりではなく、また次の夢が生まれる。つまり夢は無限なのです。私にとって夢は目標です。追いかける夢があればこれほど楽しい人生はありません。夢は目標。夢は無限。達成の先にまた夢が生まれる。「未来に向かって 夢を描く」企業人の格言企業のトップが語る人生訓Vol.8大辻 誠(おおつじ まこと)氏/昭和23年東京都生まれ。昭和46年慶應義塾大学法学部卒業。同年、本州製紙株式会社(現王子製紙株式会社)入社。昭和61年同社退社後、中津川包装工業株式会社入社。昭和63年取締役製造部長就任。平成5年常務取締役就任。平成11年専務取締役就任。平成14年代表取締役副社長就任。平成16年より代表取締役社長。中津川包装工業株式会社代表取締役社長11

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