幸友17
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めています。現在、短時間勤務を子どもが小学校第3学年を修了するまでに延長させるか検討している最中です。その理由には、小学低学年だと学童保育に預けても親の送り迎えが必要だからです。小学3年生、4年生ぐらいが一つの境目で、小学4年生にもなると鍵を渡しておけば、大体のことは自分でできるからです。皆さん当然のように出産・育児のために育児休暇制度を使い、復帰したら短時間勤務制度を活用しています。出産や育児を理由に退職するという話を最近ほとんど聞かなくなりました。そのようなことからも、制度を使って仕事を継続することが根付いたと思っています。女性社員から、子どもの突発的な出来事に対応できるような少し柔軟性を持たせた制度運用の要望がありますので、フレックス制度のような良い案はないか考えているところです。岩田 女性管理職比率30%や女性の働くチャンスの拡大を実現するための具体的な取り組みの一つに、“働き方に中立的な税制・社会保障制度等への見直し”があります。専業主婦と働く女性、特に独身で働いている女性とでは税制・社会保障、配偶者手当など適用される制度が大きく異なります。今後制度の見直しの検討に着手することとなっています。現行制度で社会の仕組みがつくられている現実を考えると容易ではないかもしれませんが、130~150万円程度の収入を超えて働くインセンティブが小さいような今の制度を変えていかないことには、女性が本当の力を発揮できる職場への転換は難しいのではないかと思います。現行制度を変えることで、道が広がる気がします。個人的には是非検討を行い、良い形で実現してほしいと思っています。このような制度があるがゆえに、女性が非正規労働に就き、能力を開発するチャンスが与えられないまま年齢を重ねてしまうのです。そして、ある日突然ご主人が亡くなったり、離婚することになると貧困層に陥ることがあります。社会的なリスクを軽減するためにも、制度を見直すことに意義があると私は思います。トップと男性の意識改革が、女性活躍の推進力。せお ひでしげ  〈司会〉瀬尾 英重氏プロフィール昭和26年愛知県生まれ。昭和49年中部工業大学(現中部大学)工学部電子工学科卒業。同年、マスプロ電工株式会社入社。平成16年、創業家以外で初めてとなる代表取締役社長に就任。平成21年度より代表取締役会長。平成24年度から平成25年度まで相談役を務めた後、現職に至る。現在、幸友会常任理事を務める。JBCCホールディングス株式会社 顧問中央可鍛工業株式会社 社外取締役09

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