幸友16
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岡山 医療人は個々によって相当違いがありますから、医者になった当時と現在を比べ、どこが違うかについては一概に言えません。若い人たちの変化について述べる以前に、少子高齢化の中で、日本のバックグラウンドが変わっています。そこを抜きにして、今の若い人たちだけを捉えて考えるのではなく、終戦からのさまざまな時代要素があって今日があるわけです。そのあたりを考えて、今の大学教育に足らないところを提案する考え方をした方がいいのではないかと思っています。木野瀬 バックグラウンドの変化の一つに、国際化が挙げられます。国際化は多くの企業が関わるところですが、小杉さんは社員に対し、国際感覚についてどのようなレベルを求めていらっしゃいますか。小杉 海外進出については、地産地消を目指しています。できるだけ現地のメンバーで生産、販売してもらうためにサポートを行うなど、地域に密着して現地を支える方針展開です。語学は現地に行けば、ある程度できるようになります。それよりも、お互い意見を出し合い、異文化を認めて相手の考え方のいいところを柔軟に取り入れ、日本のいいところを現地に合った形へアレンジ・提案していける発想ができる人材を養成し、海外へ送り込んでいます。木野瀬 国際化に対する社員教育を含め、ホテル業ではどのような対策をされていますか。佐藤さんが海外勤務された時の事も含めてお願いします。佐藤 上司と飲む度に、海外勤務がしたいと希望を伝えていたところ、辞令でシンガポールへ海外赴任することになりました。自発的に英語を勉強してTOEICで高得点が取れるように努力もしていましたし、海外で働きたいという漠然とした希望・夢がありましたので、それを叶えられたことは非常にうれしかったです。シンガポールでの仕事は、海外の不動産管理。ホテルの建物を賃貸人であるホテルオペレーターに貸すことで利益を上げる仕事です。その当時、アジアは日本単独の資本で進出することが難しかったため、現地パートナーと会社を設立して活動していました。当然、現地の人たちのビジネス思考は日本と異なります。アプローチやプロセスの考え方が違う人たちと、同じ目標を掲げ、日本と同じスキームで仕事をすることは勉強になりました。木野瀬 事前の雑談の中で、医療は輸出産業になっており、海外事例もあると岡山さんからお聞きしたのですが、一番進んでいる国はどこですか。岡山 タイです。シンガポール、マレーシア、中国、韓国も進んでいます。中国では北京郊外に施設を建設し、海外から患者を呼び寄せる医療ツーリズムを行っています。日本でもまだ少数ですが、旅行ついでに検診・人間ドックを受けていただく取り組スペシャル座談会幸友会が望む大学のあり方時代の変化とともに求められる人材と大学教育第2章専門領域を学ぶ場から、広く社会に開かれた学びの場へ。さとう ともやす  佐藤 友康氏“名古屋で一番いいホテルであること”をビジョンとして掲げる国際級ホテル。客室数562室(地上16階/地下2階)、宴会場14室(最大1,500名収容)、チャペル、神殿、直営レストラン、テナント、フィットネスクラブなど様々な機能を完備。株式会社名古屋東急ホテル幸友会会員企業株式会社名古屋東急ホテル 執行役員総支配人06

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