幸友16
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ゆったりあったように思います。職人さんたちとのコミュニケーションも多く、さまざまなことを教わったり、失敗して叱られたりも日常でした。残念ながら最近はそういう接点が希薄になりつつあります。現場はチームで仕事を進めていきますので、さまざまな関係者といかにコミュニケーションをとるかが重要です。外に出て、現場に出て軋轢を恐れず人と接してほしいですね。専門領域の勉強はもちろん大事ですが、会社にはやるべきことは幅広くあるのですから入社後の配属部署にとらわれず、思い切って眼の前の仕事に向き合ってほしいですね。木野瀬 我々が学生だった頃とは違う変化は、「国際化」、「高度情報化」、「成熟化」、「少子高齢化」が大きな波として押し寄せたことです。小杉さんは製造業の立場で最近の新入社員をどのように捉え、指導されているのかお聞かせいただけますか。小杉 私が学生の頃はオイルショックがあり、就職難でしたから、大学で学んだ専門分野が最初から活かせるとは期待しない時代でした。今の若い人たちは大学での学びを活かせる仕事ができたらいいなと思う傾向があります。また、会社では個性を前面に出したがりません。私たちの頃は、貪欲に自分らしさを出す仕事をしようと思ったものですが、目立つことは、誰かが損をするのでいけないのではないかという感覚が今の若い人たちにはあるようです。さらに、自分の強みを特化して伸ばすことより、弱点をなくす傾向が見受けられます。強みと持ち味である個性の組み合わせにより、前例のない良い仕事ができるのであって、欠点をなくしていく発想では強みのない平均レベルを組み合わせることとなり、面白くないばかりか改革にもなりません。競争意識や個人の強みを伸ばすことがいいことだと認識してもらうには多少時間が掛かるかもしれませんが、指導方針として強みと個性を伸ばすようにしています。また、高度情報化に伴い情報が氾濫している時代です。自らの目で見て、直接調べることに力を入れて教えています。我々の世代よりも真面目な人が多いですから、きっかけさえ正しく導くことができれば大きな力を発揮してくれるはずです。木野瀬 岡山さんが医師になられた当時と現在では何か違いはありますか。地域社会へ参加していくことで、社会人基礎力を身につける。おかやま まさよし  岡山 政由氏春日井市の東部地区の医療を担う中核病院。2000年に健康管理センターを開設し、「救急医療」から「リハビリテーション」「予防医学」「在宅介護」まで、トータルなニーズに対応できる医療体制を確立。現在は、地域医療にも貢献している。医療法人社団喜峰会東海記念病院医療法人社団喜峰会東海記念病院理事長05

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