幸友16
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木野瀬 来年、中部大学は開学50周年を迎えます。本日は、幸友会会員企業の皆様と中部大学の校医である岡山さん、司会の私を含め5名で中部大学、さらにはこれからの大学教育に望むことについて語っていきたいと思います。今の若い人たちは、バブルを経験したこともなければ、日本が高度成長した時代も経験していません。時代背景を含め、私たちが社会人になった頃と比較しながらお話いただけますでしょうか。最初に、佐藤さんからお願いします。佐藤 今の若い世代は非常に賢い。それを最初に感じたのは、採用面接です。大学で勉強してきたことを履歴書にしっかりと書いてきます。勉強の目的、資格取得の理由等、勉強とその先にある卒業後の指向がしっかりつながっている学生が多いです。入社後も、自分が学んできたことを仕事の中でさらに広げていきたいという意識が強いですね。しかし、ホテル業には多様な仕事があり、最初から思い描いたキャリアに必ずしも配属されるわけではありません。自分の希望した部署に配属されないと、そこで思考停止になってしまう新入社員も少なからずいます。実社会で柔軟に変性していくことがなかなかできない印象も持っています。また、いい意味で破天荒な若手社員の存在があまり聞こえてきません。そういったことからも、枠から外れた人材や既定路線から外れた際の適応力が、もう少しあってもいいのではないかとホテルの現場にいて感じています。木野瀬 特に、大手企業ともなれば業態も幅広く、色々な仕事が待ち受けています。清水建設の波岡さんは最近の新入社員についてどう感じていますか。波岡 現場での仕事量は以前に比べはるかに多くなっています。また、近年では社会やお客様からの要求レベルが高まり、行政や設計者とのやり取りも多岐に渡るなど変化してきています。私が入社した頃は図面を描いたり、現場を見る時間がもっと若い世代の特徴と企業から望むこと第1章スペシャル座談会幸友会が望む大学のあり方イノベーションに繋がる産学連携のあり方を目指して。なみおか しげる  波岡 滋氏1804年創業の大手総合建設会社。歴史的建造物の保存・復元、環境エネルギーの将来を担う技術開発、再開発や投資開発プロジェクト、海外での温暖化ガスの排出権ビジネスなど、様々な分野で豊富な実績を有している。清水建設株式会社幸友会会員企業清水建設株式会社常務執行役員名古屋支店長04

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