幸友16
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 私は現在、岐阜県工業会の会長を仰せつかっておりますが、この8月上旬にジェトロとのタイアップで、民主化へ転舵して西側諸国のトップ訪問が続いているミャンマー連邦共和国(敬虔な仏教国又少数多民族を内包している)を経済視察と現地企業との交流会の目的で訪れて来ました。 人口6062万人、面積68万平方キロ弱(日本の1・8倍)、新首都はネピドーですが、経済の中心で最大の都市ヤンゴンを中心に視察をした中から幾つか紹介させて頂きます。 ヤンゴン市南郊外に日本で言うと大田区の様な中小企業の工場が集積した地域があり、訪問した3工場の1つは日本でもブランド品となっている高級革靴をほぼ手造りで製造しておりました。2つ目は日本の電気関係の大手メーカーの部品を主に二直操業で製造しておりましたが、電力の供給が一日約5時間で後は自家発電となるため、発電機用の石油価格が高く電力価格が2・5倍になる事、又会社としての人件費は工場ワーカー1人当り現在月100ドル位であるが、最近は年率2〜3%上昇してきているとの事でした。3つ目は変圧器とテレビアンテナは自社生産ですが、主力は中国から各種無印家電製品を輸入し、自社ブランド名を付けて国内の直営店や契約販売店に流している企業でした。さらに、日本の大手商社連合が開発を進めているティラワ経済特別区(24平方キロ)も視察して来ました。 最後にヤンゴン最大の寺院シュエダゴン・パゴダを参拝見学して来ました。 尚、軍事政権下での民主化ではありますが、かつて海外へ脱出した知識層が帰国して活動し始めており、民主化と経済発展がこれからどう展開していくのか目が離せない国であることは確かでした。 私は中部大学大学院経営情報学研究科経営学専攻に58歳で入学し、60歳で卒業しました。「今さら」と言われたことも有りましたが、経営を理論として勉強することに無駄は無かったと思います。もっと早く学んでおけば良かったという悔いも全く有りません。何故なら30歳の時に同じ勉強をしていても捉え方、感じ方、必要性など全く違うと思うからです。 ヨーロッパの宮殿の庭の芝は200年〜300年かかって素晴らしい芝が出来上がっています。300年分の費用を1年間に投入しても、同じ芝は出来ません。時間的ロスも無駄ではないのです。 「理論なき実践は盲動であり、実践なき理論は空論である」の言葉のように、我々経営者は学校との交流が必要です。商工会議所等でも産学連携の必要性が言われています。この世の中には経営の罠も多く存在しています。日々経営判断をしていかなければならない経営者は、理論を勉強することによって罠にはまることも少なくなり、自信が付き前へ進む力がより強くなるものと思います。人間には名古屋城の石垣のようにポジションが有ります。そのポジションを確実に守るにはハングリー精神が必要です。「アントレプレナー」とは起業家、企業家、独創性、冒険性によって経営者の中でも分かれます。経営者としての人生に対する挑戦意欲が事業の成長を決めると思います。夢、希望を持ち実務能力を育てて行くことが有意義な人生を送る為に最も必要なことと思います。ミャンマーを訪問して一生勉強 一生青春人生無駄なし河合石灰工業株式会社 代表取締役社長 河合 進一 株式会社協和コーポレーション 代表取締役 木野村 好己 かわい しんいちきのむら      よしみ42

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