幸友16
34/48

 今年の4月に報道された政府の要請、この背景について簡単におさらいしておきたいと思います。就職活動の早期化・長期化を是正する動きは、一部の経済界では以前から積極的でした。18歳人口が減少する一方で、大学進学率は上昇。そうした中で大学は、高度専門職業人の養成や、国民に占める高等教育修了者の比率を増やすなど、高等教育機関として重要な役割を担ってきました。しかし、大学教育の現状は、3年生の12月から就職活動が始まることにより、学生たちは早くからその準備に追われ、学業や課外活動に集中できません。つまり学生にとっては、総学修時間の不足とともに、何も最後までやり終えないまま、“これまで”と“これから”について採用担当者から問われ、不安だけが膨らんでいました。このような状況を是正するため、政府は今回の要請に踏み切り、日本経団連は、大学生の新たな採用ルールを定めた「採用選考に関する指針」(2016年春採用より適用)を発表するに至ったのです。 今後、大学は就職支援スケジュールの変更が必須です。本学も2月開催の学内企業説明会は3月以降の実施になるでしょう。学生の就職活動期間も短くなります。ただこれは、大学にとっては歓迎すべき話。就職活動の後ろ倒しではなく、本来あるべき時期の“正常化”と言えます。活動期間がタイトになれば、今までのようなWEBを活用した際限のないエントリー方法ではなく、限られた情報から応募する方法が主流になっていくはずです。そのためには、これまで以上に企業と大学とがコミュニケーションを図り、密な情報交換が不可欠です。つまり大学は、企業がどんな人材を求め、どのように育てていこうとしているのか、一方企業は、大学がどんな教育をおこない、どのようにキャリア形成を支援しているのか、お互いをよく知り、本来あるべき“人を介した就職支援”を目指すということです。社会人として働いた経験のない学生が就職先を探す際には、やはり適切なアドバイザーが必要だと考えています。就職活動の“後ろ倒し”ではなく“正常化”。目指すは、人を介した就職支援。今こそ求められる、就職における企業と大学との関係性とは?2014年4月、大学生の就職活動における政府の経済界等への要請が報道されました。学業に支障が出るとして、採用に関する広報活動の解禁時期を3年生の3月からに、また、採用試験を4年生の8月からと、就職活動全体を後ろ倒しにするという内容です。思い返せば、2011年1月に倫理憲章の見直しが図られ、広報活動の開始が3年生の10月から12月へと繰り下げられたばかりです。大学新卒者による就職活動の早期化や長期化を是正する動きが再度注目される中、今後、大学はどのように対応していくのでしょうか。また、大学と企業との関係性はどうあるべきでしょうか。キャリアセンターに伺いました。就職レポート201333

元のページ  ../index.html#34

このブックを見る