幸友16
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中部大学研究支援センターでは、企業の皆様のニーズに応じて、関連分野の研究者を紹介しています。共同研究や委託研究など、研究支援の相談窓口としてお気軽にご相談ください。[幸友会事務局]0568-51-4852(直通)0568-51-4740(直通)幸友会事務局を介したご相談も承っております。研究支援センター 『日本林業を今一度洗濯いたし申し候』。自らの研究使命と坂本龍馬の名言をなぞらえる竹島准教授は、林業の川上(供給)と川下(需要)に焦点を当てた研究をしています。川上の研究は、森林の場所、量、その所有者が誰であるかを把握し森の在庫データベースを作ること。川下の研究は、誰がどんな木質製品を求めているかを把握し、森の在庫をどう売るかの戦略立案です。  日本の森林面積は国土の67%。しかし、それは林業統計データからそうなっているだけです。伐採跡地であろうと将来林業経営を行う予定なら、そこは森林としてカウントされます。一方、公園のような緑地でも林業経営を行うつもりがないなら、森が成立していても森林とはカウントされません。現状は、林業統計データと実状は大きくかけはなれています。「地道な現地調査と最新のリモートセンシングの技術を使い、ある市町村で調べたところ、木材として使える森林資源量は統計の2~3倍でした」と竹島准教授は指摘します。加えて、日本の森林の60%が民有地で、最近では相続した山林の場所が判らない所有者が多くなっていることに言及。「これでは潤沢な森林在庫があっても、手のつけようがありません」。そこでGISやGPSなどの最新技術を活用し、森林所有者を把握する仕組みづくりも行い、資源量と所有者の両面から森の在庫データベースを作ろうとしています。  徹底した現場主義を貫き、林業当事者と同じ目線で業界を眺めてきた竹島准教授は、「着想とバイタリティ、そして継続力が自らの特徴」と語ります。その一方で当事者から二歩退いた目線で業界を俯瞰。現場を見つめ、現実と理想のギャップを埋めるゴールを設定し、それを最短距離で実現するための手段を考えています。そのために必要な装置やソフトウェア、戦略などのアイデアが湯水のように湧き、それらを粘り強くカタチにした商品開発やコンサルティングを企業などと行い、一歩ずつ日本林業を洗濯しています。中部高等学術研究所 国際GISセンター たけじま きよし竹島 喜芳准教授[専門分野]森林計画、林業、リモートセンシング[研究テーマ]持続的森林資源管理のための森林情報の収集と公開持続可能な森林経営のカタチを模索する。在庫把握が森林経営全ての基礎。着想とバイタリティから日本の林業の夜明けを実現する。日本の林業を洗い直し、最適な林業経営環境をつくる。NO.4 森林経営学22

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