幸友15
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小野 今でもそういった問題が?河村 今は以前に比べてさらに安くていいものを作らなければならないため、人を定着させることに重点を置いています。そのためにはGDPに比例して給料を毎年上げなければなりませんし、ベトナムの習慣で、給料は1年で13カ月分を支払わなければなりません。旧正月に、ボーナスとして必ず1カ月分を支給しなければならないのです。また、従業員とのコミュニケーションを図ることとして社長でも昼食は従業員と同じ弁当を食べます。慰安旅行や忘・新年会もおこないます。新年会ではラッキードローと呼ばれるくじをするのですが、賞品は雑貨からテレビ、洗濯機、日本製のカメラ、資生堂の化粧品などさまざまものを用意します。そのときに高級な賞品は誰でももらえるわけではなく、入社5年以上の者だけがもらえるようにします。そうして定着率アップを図るのです。上田 ホーチミンやハノイで人手不足による賃金上昇が起こる一方、いまベトナムの地方都市は企業誘致に熱心です。ビンディン省というダナンから少し南にある、工業団地もある人口160万人くらいの省もその一つ。この省はクイニョン港もあり、内陸部への移動よりも物流コストは安いので、 こういう場所に第二工場をつくることは非常に大きな可能性があります。経済的に恵まれない地域へ進出する企業には、政府も税金の優遇措置を取っています。ある程度の技術を蓄えた中間管理職やリーダーが育っている場合は、他国へ出るよりも、同じベトナムの地方都市に行くのも一つの考え方だと思います。河村 そうですね。ベトナム中部にダラットいう高原地域がありますが、その界隈であれば、今後開かれる港インドシナ諸国の経済状況とビジネスチャンスDISCUSSION 201208

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