幸友15
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の対応が重要である。その主な原因は①脳卒中、②運動器疾患(骨折、外傷、関節疾患)、③心身の衰弱(認知症および身体的衰弱)の3つに分類され各々4分の1程度占める(図1)。この脳卒中と心疾患の基礎となるメタボリック症候群は肥満に高脂血症、高血圧、高血糖を伴うもので、その対策の基本は体内脂肪の減量で、運動と適正な食生活である。骨折、外傷の一番の原因となる転倒の防止には身体、特に下肢筋力の維持、強化が中心となり、関節疾患についても関節への負担軽減として肥満減少と下肢筋力強化が大切である。運動は身体を動かすことにより心身を活性化する作用があり心身の衰弱にも有効である。 以上より健康長寿には早期発見によるガン予防と同時に適正な食生活と運動が重要であることが理解される。食生活については経験より食物摂取の量、内容など細かく考えず今からできる簡単な対策、即ち①主食を減らす。②油ものを少なく薄味にする。③野菜、豆腐系を多めにバランスをとることから始めるのが得策である。運動に関してもエネルギー消費量、運動量など難しく考えず簡単にできるウオークが最適と考える。 ウオークの最大の利点は何時でも何処でも可能で、走行、階段昇降など自由に負荷を変えることができ、自分に合ったプログラムを組むことができることである。負荷により運動別エネルギー消費量は表1のように変化する。意欲が問題となるが、歩き始めから20分程すると気分が高揚して歩く負担を感じなくなることに加え、有酸素運動にて体内脂肪の燃焼が盛んとなりメタボリック対策にも効果的である。自然の中でのウオークは四季の変化を肌で感じ気分がリフレッシュし思考をめぐらすのに最適で、色々なアイデアが創出される。またウオークの場所、目的を変えることにより飽きることなく継続することができる。 厚労省の調査では自立して健康に生活できる日本人の健康寿命は男性70歳、女性74歳で、平均寿命までの期間は男性9年、女性13年である。この期間を少しでも短くし、俗にいう“ピンピンコロリ”で天寿を全うできるよう自分に合った運動と適正な食生活を始めることが勧められる。26

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