幸友15
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うに本学も関わっていくかを真剣に考える必要がありますね。幸友会員企業の中には、中国に会社をつくり、インターンシップを盛んにおこない、国際交流をしている企業もあります。2カ月くらいホームステイをさせるとガラッと変わって帰ってくるそうです。そういった地についた活動をしっかりやらなければいけません。本学の建学の精神にもありますが、「不言実行」、つまり行動に移すことが大事です。今提携を結んでいる諸外国の大学は、アメリカ、ヨーロッパなど多岐に渡っていますが、もっとビジネスを見据えた本当の意味での国際交流をしていかなければなりませんね。これからはアジアの中の日本ということも考えていかなければなりません。上田 学生が一般的に海外へ行く場合、語学研修がほとんどですが、一つのアイデアとして、スポーツ交流があります。たとえば野球で、日本の大学とベトナムの大学とで親善試合をする。語学ができなくても、野球という共通の話題があることで、おそらく試合後の懇親会では言葉が通じなくても、片言の英語でコミュニケーションができれば、視野を広げられると思います。河村 たとえば進級に支障をきたしそうな学生に、この留学プログラムに参加したら、単位を認めるということもあってもよいのではないでしょうか。三浦 大学がある程度フレキシブルにおこなうことは文科省も認めていますから、たとえば夏休みに海外へ行って帰国後にレポートを書けば単位を認めるなど、大学が決めて実施していけばいいと思います。そういった活動が、入学してくる高校生にとっての魅力にもなりますからね。河村 この4カ国にとって日本へ行くことは、昔の日本のアメリカンドリームと同じで、ジャパンドリームなんです。当社では優秀な成績を上げた社員に、日本への研修をプレゼントすると決めています。そのときに本当の日本の社会を勉強してほしいと思っています。力やお金がある人だけでなく、中堅層の人たちも行ける場を作れると、国際交流も盛んになると思います。日本は今よりも外国人の受け入れをもっと上手に広げてほしいですね。上田 これまで日本に来る留学生は、研究目的で、日本で修士や博士を取って母国で大学の先生になるパターンがほとんどです。ただ、もっとビジネス的な要素を持った留学生、日本の企業で働きたいと思っている学生を受け入れることも大事ですね。今、ビジネスや専門技術を勉強した日本語ができるベトナム人を直接採用する狙いで、現地の大学を紹介してほしいという日本企業が増えています。小野 そういう学生のための奨学金があってもいいかもしれません。いろいろお話を伺ってきて、生産拠点としても、市場としても好条件を備えている地域で、さまざまな業種の日本企業が経済交流を深めていく可能性は非常に大きいと感じました。しかし、想定外のこともありますから、よく考え、調べ、経験者や有識者の意見も伺いながら、慎重に出て行く必要があるようです。いずれにしても日本も、現地も、いい人材のサポートが不可欠です。人材については大学の責任が重いですが、大学だけでできることには限りがありますので、幸友会をはじめとした産業界と協力し合いながら、時代に沿った人材教育をしていかなければなりません。本日はありがとうございました。インドシナ諸国の経済状況とビジネスチャンスDISCUSSION 2012幸友会や産業界のサポートを得て、時代に沿った人材教育を。 おの けいのすけ小野 桂之介中部大学 副学長中部大学幸友会 理事司会12

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