幸友15
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だけていると思います。三浦 今でこそ4カ国に関心がいっていますが、以前は中国が進出の中心でした。また韓国への進出もありました。しかし、この数年間で変わってしまったわけです。いずれは4カ国においても同様なことが起きてくるでしょう。先ほど、沿岸から内陸の方へ行く動きがありましたが、中国で起きた同じようなことがベトナムでも起こり、コストメリットを感じなくなるのはどれくらい先でしょうか。河村 私の経験の感覚では、ホーチミンで遅くとも5年後には、コストメリットがなくなると見ています。ラオス、カンボジア、ミャンマーが、その頃には技術レベル的にカバーできてしまい、コスト面を見ればそういった国の方が安くなると思います。ただ、今のミャンマーに弊社の事業内容ではメリットは見出せません。物流が大変だからです。川が浅くて大型船が入れず、かなり南までおろす必要があります。でもそこまでの道路インフラが整っていません。その長い距離を通って、船に乗せた分がどれだけ人件費で消せるのかも疑問です。さらに、あぜ道だらけで、振動に弱い精密部品など、運べないものもあると思います。ミャンマーが今後、進出してくる企業に対してどんな対策を取るのか、また、インフラがいつ整備されるかわかりませんが、それでも今のうちに進出するべきか、整備されてから出て行ったことで、時すでに遅しなのか、それは業種と内容によって見極めなければならないでしょう。上田 ミャンマーは、経済的・政治的に民主化が一気に進んでいます。既に賃上げのストライキも始まっているそうです。今は賃金が安いと言われていますが、あっという間に上がる可能性があります。為替レートも統一されましたが、実態は公式レートと実勢レートとで乖離しているとも言われています。小野 今の話にも関わってきますが、我々は賃金が安いと、生産拠点として見てしまいがちですが、中国のように所得水準が上がってくると、消費市場としての魅力もあると思います。これから需要が伸びて、日本から進出すると面白い業種などはありますでしょうか。上田 ファミリーマートやイオンがベトナム進出を決めていますし、東急電鉄がホーチミンへ、京阪電鉄がハノイ周辺に進出してショッピングセンターや鉄道を造ろうとしています。カンボジアでもイオンの進出が決まっていますし、ラオスにも、中国系ですがショッピングモールがあります。それ以外でもシンガポールやマレーシアなど同じASEANの資本で、消費市場に向けて企業が進出しています。また、来週、年商10億円のベトナムのブライダル会社が、日本の結婚式場の見学と、引き出物やおみやげを探しに来ます。日本ブランド、日本製品に対して憧れや信頼がありますので、インドシナ諸国の経済状況とビジネスチャンスDISCUSSION 2012アジアの中の日本を意識して、本当の意味での国際交流を。 みうら まさお三浦 昌夫中部大学 学監中部大学幸友会 事務局長10

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